オープニング
昔々ーーあるところに、シユウという少年がいましたーー。
彼は幼い頃より貧しい生活をしており、僅か齢七歳の頃に……飢饉で両親を失いました。
終わらない戦争。
終わらない飢餓。
悲しみの連鎖が生む悲劇ーー。
そこで生きる民草には未来への希望もなく、一部の特権階級の者達が私欲と怨恨で争いを繰り広げる日々に、やがて彼は疑問を抱き始めましたーー。
大陸同士、国同士で争い合う、戦乱渦巻く混迷の世で……彼は世界中が平和になる道を探すべく、齢十五の時に旅に出ましたーー。
〝聖大陸〟と〝魔大陸〟を横断しながら、有志を募った彼の元には……一人、また一人とーー平和を望む、多くの仲間が集いました。
五大国と呼ばれる、北西の国ーー《インクリア》、東北の国ーー後に《ドラドゥーク王国》と呼ばれる《アランディア》、南西の国ーー《ヘルヘイム》、東南の国ーー《バルファラム》、そしてーー魔大陸と繋がる〝ドラゴン大橋〟と隣接するーー《イーストランド》。
この五つの国をまとめ上げた彼はやがて、後に〝四大英聖〟と呼ばれるーー
《エイシェル・リ・フォルテ・メイジス》
《ラムファス・ル・ティオル・ドラム》
《アルバス・レ・アルア・グランレギオン》
《ドラドゥーク・ロ・カリス・エイドル》
この四人の英雄と、十五人の部下……後に〝十五爵家〟の家名を与えられた者達と共にーー〝聖大陸〟と〝魔大陸〟を統一して世界を平和に導きましたーー。
平和になった世はーー永い安寧の時をもたらし、人々に生きる希望を……未来をーー笑顔を与え、徐々に個の利益を求めていた特権階級の者達も、己の民の繁栄に力を注ぐようになりました。
世界中から戦争が無くなり、平和になった世を喜ぶ後世の人々は、この五大国の中央に《聖域国》を設立し、彼を偉業を讃えてこう呼ぶようになりましたーー。
〝世界を変えた、希望もたらす天の使い人〟ーー《聖天大使》と……。




