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22. エリスフィール


七十年前ーー


エルフの里を出てずいぶんと経った……。


(おなか……減ったな……)


もう何日も、まともな食事をしていない。



手持ちのバッグに入れてあった最後の果物を一口、齧りながら途方に暮れる。


砂の大地、打ち潮の大海原、暴風の雪原に、火山と氷の大地が共存する島。


いろんな場所を歩き回ったけれど……私に居場所なんてなかったーー。


(この先もーー、一人で生きていくしか無いのかな……)


そう思うと、胸が苦しくなる。


普通に生まれて、人並みに幸せを享受できる事がどれだけ私には羨ましかっただろうかーー。



もし神様がいるのなら……どうしてこんなに世界を不公平に創ったの?


こんな生き地獄……あんまりだよーー。


(とても辛い、とても寂しい……誰でもいいからーー助けて)


人生で一度……たった一度でいいから、〝本当の名前〟で呼んでほしいーー。


(そんなわたしの願いを……あなたは叶えてくれたーー)


「私の……本当の名前はーーエリスフィールですっ!」


……………………。


私たちエルフの里には、昔からいくつもの習性のようなものがある。


名前がその一つだーー。


里の外に出る時は、本当に信頼した相手にしか自身の名前を明かしてはならないと言うーー。


安易に本当の名前を明かすと、精霊の神が怒って魂を食べに来ると……里の子供達は習って育つーー。


まぁ、実際にはそんな事にはならないと思う……。


外の世界は危険でいっぱいだから、本当の名前は隠しておきなさいと言う意味を含めた……大人の計らいみたいなものなのだろう。


そしてそれはーー、エルフにとって外の世界で自身の名を明かす事が、どれだけの意味があるのかという事でもあるのだ。


「エリス……は、本当の名前じゃあ無かったんだねーー」


驚いた表情で、クロノはポカンと口を開けている。


エリスは、懇願するような上目遣いで、クロノに問いかける。


「……領主様ーーもしよろしければ……私の名を呼んでいただけませんか?……本当の名前をーー」


クロノは微笑み一つ溢して、エリスの青い瞳をじっと見つめる。


「わかったよ……。それじゃあーー呼ぶよ?」


「…………はい。領主様ーー」


クロノは深呼吸を一つして、名前を呼ぶ。


「…………エリしゅ」


「…………っ!!そ、その名前はもう忘れてください!!」


初めてみんなの前で自己紹介した時の、噛んだ名前を呼ばれたのがよっぽど恥ずかしかったのか……。


耳まで顔を真っ赤にした、エリスフィールの慌てふためいた顔を見て笑うクロノ。


「悪い悪い……あんまり緊張しててついからかいたくなったからさ!」


「ひ、人の事を何だと思ってるんですか!!もう〜」


拗ねたのか、ちょっぴり落ち込む顔を見てクロノはーー


「いやいや……本当に悪かったよーー〝エリスフィール〟」


「っーー!!」


不意打ちを食らって、目を丸くするエリスフィール。


しばらく互いを見つめあった後、目尻に涙を浮かべてエリスフィールは、


「……はいっ!!ーー」


今日一番の笑顔で、そう笑って答えた。


……………………。


それからしばらくの間、他愛のない雑談をしていた。


エリスフィールの故郷の話とか、旅の話。


魔大陸がどんな所なのかとか、冒険者時代の時の話なんかはそれはもう目を輝かせて本当に楽しそうに笑っていた。


一晩中話し込んでいて気がつけば日が昇り、朝を迎えていたーー。


思えば今までで一番長く感じる一日だったと思うーー。


「いてて、そろそろ外しといてもいいかなーー?」


「領主様……それは一体?」


胴に巻いていた薄い鉄サラシを取り出して、キョトンと首を傾げるエリスフィール。


「ああ……。夢の中で誰かに襲われる夢を見たからさ……念の為に巻いていたんだ」


「さっき言っていた……〝未来を見る目〟……ですか?……本当に領主様はすごいですねーーそんな目を持っていらっしゃるなんて」


あまり人には言わない《未来眼》の話も、エリスフィールにはしておいた。


自分だけエリスフィールの過去とか秘密をあれこれ聞くと言うのも心に来るものがあるし、何よりエリスフィールみたいな優秀な従者なら万が一の時に知っておいてもらった方が良いと思ったのだ。


「まぁ……まさか、自分の従者に殺されかけるとは思わなかったけどーー」


「うっーー……すみません」


本当にエリスフィールは面白い。


何度このネタで遊んでも、きっと同じ反応で反省した様子を見せてくれるんだろう……。


まぁ、可哀想だから意地悪は程々にしておこうと思うーー。


「そういえば部屋もボロボロだなーーあんなに暴れ回ったのに……誰も気が付かなかったのは運がよかったのか悪かったのか……」


あの後の顛末を聞いたけれど、あの〝暗殺者〟を圧倒するなんて凄いんだなと改めてエリスフィールを尊敬する。


「……おそらく敵は、《忍び足》スキルを使っていたのでしょうーー。どれだけ音を立てても気付かれなかったのはそのせいです。領主様のお部屋をこんなにめちゃくちゃにしてしまいーー申し訳ありません」


反省した様子のエリスフィール。


何も悪くないのに……。よっぽど責任感が強い方なのだろうな。


「まぁ、部屋は直せば何とかなるよ。……とにかく、エリスフィールが無事で良かったーー」


「っーー!!……領主様ーー」


ポッーー、と顔を赤らめるエリスフィール。


このままじゃ気まずい空気になりそうなので、シェリカが起こしに来る前に重い腰を上げることにした。


「それじゃあ、そろそろ行こうかーー。寝不足だけど、仕事と先生は待ってくれないからねーー」


ふらふら、と立ち上がるクロノを、エリスフィールは呼び止める。


「領主様ーー!……もう一つ、よろしいでしょうか?」


「ん……?何?」


振り返るクロノの視線をじっと見つめながらーーエリスフィールは何やら意を決したように、ナイフを首の後ろに回しーー


「っ〜〜!!」


サクッーーと、音を立てて自らの長い銀髪を切り落とす。


「えっ……エリスフィール……?一体何やってーー」


一気に断髪したエリスフィールの髪は、肩にかかるくらいまでのショートヘアーへと変貌する。


「私のいた故郷ーーエルフの里には、髪を切る事で生涯独身を誓うという習性があります。……まぁ、人によっても意味とかやり方に違いが少し出るのですが……この場合の私はーー」


エリスフィールはクロノへと向き直り、陽光をバックに胸元へ手を当てる。


「私は……あなたに生涯忠誠を誓う事をーーここに約束します。領主様……いえ、クロノ様ーー」


エリスフィールの真剣な眼差しを、クロノはにこやかに笑って答えた。


「そっか!なら……エリスフィール。こちらこそ、これからよろしくなっ!」


微笑む二人を祝福するように、朝の太陽はより一層明るく《エンドラ領》を照らしたーー。


……………………。


エルロード家屋敷ーー食卓にて。


「申し訳ございません!!」


髪の短くなったエリスフィールを見て一体何事かと騒ぐ者もいたが……律儀なエリスフィールは昨晩起きた出来事について一から十まで全てを話した。


自分が俺の命を狙ってエルロード家のメイドになった事、エルフの里出身の〝ミミナシのハーフエルフ〟である事、もうエリスフィールには俺の命を狙う意志がないこと……その全ての顛末を。


こう言う話をすると騒ぎ立てそうなのが一人いるんだよなぁ……と内心焦る俺だったがーーその予想に反してにこやかに話を聞き終えるシェリカだったのだがーー。


「えっ!?二人とも知ってたの?エリスフィールが〝ハーフエルフ〟だって事ーー?」


シェリカとエドワードは、エリスフィールに初めて会った時からハーフエルフだと言う事を知っていた様子だったーー。


「え?ええ……私は《鑑定スキル》ですぐわかりましたから……てっきり、クロノ様もご存知だったのかとーー。伝え漏れてしまい、本当に申し訳ありませんーー」


深々と謝罪するシェリカ。


確かによく考えれば、シェリカならすぐに分かる話だった。


「……まぁ、エリスがちょいちょいおめぇに殺気向けてたのは見ればすぐわかったからな。〝ハーフエルフ〟ってのも一目見りゃだいたい見分けがつくしな。」


いや、それは多分あなただけです……先生。



「驚いた事があるとすればエリスってのが本名じゃなかったのと、その髪だなーー。……にしても、一晩でここまで領主にご執心になるとは思わなかったけどな〜」


言われて恥ずかしかったのか、赤くなった顔を手元のおぼんで隠すエリスフィール。


「は……早く知りたかったーー」


俺とエリスフィールの心配など無用だったように、至って普通の顔をする面々の姿が。


「それでも……クロノさんがちゃんと話し合ったから、エリス……エリスフィールさんも心を開く事ができたんですよね?なら、よかったです♪改めてよろしくお願いしますね!エリスフィールさんーー」


「シェリカ様……こちらこそ、よろしくお願いしますーー」


満面の笑顔で、シェリカの手を取るエリスフィール。


「ま、俺が何かした所で何も解決しなかっただろうからなーー。昨晩どんちゃんしてたのも見過ごして正解だったぜーー」


「き、気づいてたのにスルーですか!?ハァ……全くーー先生という人は…………」


どうやら、まんまと先生に一杯食わされたらしい。


これも修行のうち……なのだろうか?


「まぁ終わりよければなんとやら、だ!よろしくな、エリスフィールッ!!」


「エリスフィールよ。改めて、これからもよろしく頼みますぞ」


「エリしゅちゃん、よろしくね!!あ、違ったーーエリしゅフィールちゃん!!」


「エドワード様……アーモンド様。プルシュスカ様……。よろしくお願いしますーー」


涙を目尻に浮かべながら、エリスフィールは微笑んで挨拶をする。


もう一人じゃないーー自分には帰る場所がある。


それがどれだけエリスフィールにとって切望していた事なのか、今の笑顔だけでもよく分かった。


「よかったな……エリスフィール」


クロノはエリスフィールの肩を、ポンッーーと優しく叩く。


「本当に……ありがとうございますっ……領主様ーー」


満面の笑顔でそうはにかむエリスフィール。


今度こそ本当にーー屋敷に新しいメイドが加わった……。


……………………。


そんなこんなで、一件落着……とはいかず、エリスフィールは反省の意を示したいと、朝から屋敷の掃除から立て付けの悪い扉の修理やらとーーせっせこせっせこと働いていたーー。


アーモンドとプルシュスカもまた、日課の字の勉強らしい。


最近はプルシュスカの言葉遣いもずいぶん流暢になってきて、嬉しい限りだ。


今日から先生と近辺のダンジョン探索と、修行の方も順調だーー。


《エンドラ領》の事に関しては恥ずかしながら、もはや俺が何かするよりも先にシェリカが全部問題を解決していっているらしいーー。


唯一の懸念というか何と言うかはもうーーこれしかないだろう。


「あと三日で……〝あれ〟が来るのか……」


机の上で項垂れている俺の目の前に、甘い香りのティーカップが置かれる。


「たまには一息どうですか?領主様ーー」


今までよりもずいぶんラフな喋り方をするようになったエリスフィールが、そこに立っていた。


「ああ、ありがとうエリしゅ……」


「もぅ……その名前は嫌ですーー」


エリしゅに入れてもらった、エルフの里に伝わる〝妙煎薬〟の紅茶を飲む。


思えばこの紅茶を見た時、故郷でよく飲んでいたって言ってたっけーー?


「領主様が会いたがらないなんて……一体どんなお方なのですか?その……お兄様は?」


《ランスロット家》第三子カイル。


まぁ……この世の全ては金!を体現したような……ちょっと嫌味ったらしいところがある俺の兄だ。


どこかの令嬢と揉め事を起こせば《ランスロット家》の権力で解決し、どこかで公爵家と問題になれば賄賂を渡して穏便に済ませる。


まぁ、父様とよく似た手腕をするからグルーヴィス兄様とはよく比較されて〝トンビ〟と言われていた。


意味はグルーヴィス兄様が鷹に例えられる事が多いからだそうだ。


可哀想に……どうやら公爵家には公爵家で俺と違う、別の問題があるらしい。


「エリスフィール、明日は街へ買い物に出かけよう。沢山の塩を買いに」


「塩……ですか?何か料理に使うのですか?」


キョトン、とティーカップを乗せていたおぼんを抱えながら首を傾げる。


エリスフィール、君はまだまだ〝穢れた〟と言うには早いよ……。


これから政治の大戦が始まるのだからーー。


……………………。


ちょっとした問題が発生した……本当にちょっとしたものなのだがーー。


「ああ?今日からしばらくダンジョン修行に行くからそんな暇ねぇっつの!」


「いいえ、少なくとも三日後まではクロノさんは遠出できないと事前に言っておいたはずです!」


珍しく先生とシェリカが揉めていた。


「二人とも……一体どうしたの?結構大声だったけど……?」


「「聞いてください!(聞いてくれ!)」」


「えっ…………?」


どうやら話の内容はこうだ。


今から三日後に訪れるカイルをどうするかーーそのためにはこっちに専念してほしいシェリカと、これからダンジョンで鍛えるから俺を外出させたい先生。


どっちにするのか、さっさと決めろ。そう言われたーー。


「何そのーー〝仕事と私どっちが大事なの?〟みたいな質問。……難しいなーー」


正直に言ってしまえば、カイルの事はシェリカに任せたい。


ダンジョンも気になるし、何よりあの兄はめんどい。


けれど、何でもかんでも補佐任せというのは領主としてはどうなのだろうかーー?


そう思い至った俺の結論は、意外に早く決した。


「悪い先生……ダンジョンの方はもう〜ちょっとだけ待ってもらえると助かるかな〜!!」


「あっ?……おめぇマジか……」


両手を合わせ、神に祈るような姿勢を構える。


クロノの誠心誠意を込めた祈りは、エドワードになんとか伝わったーー。


「チッーー仕方ねぇな……。さっさと片付けろよ?」


「ありがとうございます先生……。」


そんなこんなでーー三日後に備えての作戦会議が始まったーー。


……………………。


「カイル様は昔から金目のものに目が無いお方……金品の贈り物は必要でしょうなぁ〜」


「あんまり税金からは使いたくないな〜……シェリカはどう思う?」


「う〜ん……貴族の子供って、やっぱり親に認めてもらいたい一心で時折り行動する事もありますし……グルーヴィスさんをあっと言わせるような手土産があれば納得すると思うのですがーー」


「はいは〜い!プルシュスカはご飯でもてなすのがいいと思いま〜す!!」


「何もいらねぇんじゃねえか?あんまりなめられねぇようにしねぇとーー相手のペースにはまれば何要求されるかわかんねぇぞ?その辺はまぁ……領主はしっかりしてるだろうがーー」


「みんなバラバラだなぁ〜……。エリスフィールはどう思う?」


どれもこれもふわふわとしていて形となっていない。


一番簡単なのはアーモンドの賄賂案、一番効果的なのはシェリカの情報案だろうが……正直、どちらを出しても足元を見られるような気がする……。


そんな中、急に話題を振られたエリスフィールは首を捻りながら答える。


「えっと……そのーーそもそも、何故領主様のお兄様はここに来訪する事になったのでしょうか?……その意図がわからない限りは、どれを送ってもあまり意味の無いような事に思えますがーー」


確かにそうだ。


あの面倒くさがり、私利私欲に非常に忠実なカイルが何故こんな何も無い辺境領にやって来ることになったのかーー?


そもそも、《ランスロット家》からみれば、俺は縁を切った相手なだけあって……今更関係修復を図るつもりなど無いだろう。領地が盛り上がっている事が気に食わないのなら、わざわざ来訪する理由がないーー。


「一体何が目的なんだ……?」


話し合いは結局、膠着状態のままーー時間が夕食の頃合いへと移り変わっていったーー。


……………………。


「カイル様ーーもうすぐ《エンドラ領》です」


「そうかーーご苦労だ」


月明かりの元、老執事の荷馬車に一人の貴族の少年の姿が。


「……本当にやってしまっていいんですかい?」


「ああーー。しかしくれぐれも程々にな……面倒な事になればボクが父上から叱られる」


「ケッケ、貴族様の護衛と聞いた時はどんな物騒なとこに行くのかと思ったがーー〝お姫様〟の誘拐とはたぎるねぇ〜」


「馬鹿やろう!〝救出〟だってカイル様も言ってただろうが!!」


荷馬車の中にはカイルと男が三人ーー。四人席を対面する形で座っていた。


「その通りーーこれは大義ある任務なのさ。悪の領主シユウに脅されていいように使われているシェリカちゃんを救うためのね……」


歪んだ大義を持ち合わせる兄・カイルがーー《エンドラ領》のすぐそこまで差し迫っていたーー。


……………………。


「おはよう御座います領主様。朝ご飯が出来ておりますがーー今お召し上がりになりますか?」


「ああ、ありがとうエリスフィール。もらうよ。あとおはようーー」


ふらふらと相変わらず寝起きの弱いクロノが、パジャマ姿で食卓に座る。


「おはよう御座いますエリスフィールさん。わたしも朝食を頂いてもいいですか?」


「おはよう御座いますシェリカ様。直ちにご用意致しますので、席にてお待ちくださいませーー」


食卓には既に食事を終えたアーモンドが座っており、プルシュスカは今現在食事をがっついていた。


「はむはむっーーんぐっ!?おはようご主人様〜、シェリカさん!!」


「おはようございますプルシュスカさん。相変わらず寝癖がすごいですね♪」


「おはようプルシュスカ。あとでシェリカにといでもらうんだよ?」


うんっ!と大きな声で返事をするプルシュスカ。


少しして食事を持って来たエリスフィールは、クロノの耳元に口を近づける。


「領主様ーーちょっとよろしいでしょうか?」


「んーー?どうしたんだ?」


エリスフィールはそのまま続ける。


「今朝方《精霊結界》に妙な反応がありました。馬車に乗った団体五名程かと思いますがーーどう思いますか?」


エリスフィールはそんな事までできるのか。


優秀すぎていよいよメイドには勿体無いんじゃ無いかと内心思う。


「五人……か。ん?待てよーー馬車に乗ってって言ったかーー?」


シェリカにジェスチャーを送って、ひっそりとこの事を伝える。


「クロノさん……それってまさかーー」


「ああ……。凄い嫌な予感がするーー」


二人がそう……話し合っている最中の事だった。


コンコンコンッーー、と玄関の扉を叩く音が。


「は〜いーー」


まるで地獄の扉を開ける気分だ。


臭いものにはドアをする。とはこういう場面で使うのだろうなーーと、苦い顔で恐る恐る扉を開ける。


そこにいたのはーー。


「やぁシユウ〜。……久しぶりだなぁ。」


横柄な態度で上から見下ろすように待ち構えるーー兄・カイルの姿が。


「に……兄さんーー」




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