14. 討伐任務 ★お知らせあり
お知らせ:シーズン2『エピソード14』『エピソード15』『エピソード16』で投稿順序に間違いがありました。ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。再投稿につきましては、以下の時間帯を予定しております。
2月2日8時15分頃 『エピソード15』
2月2日12時15分頃 『エピソード16』
2月2日18時15分頃 『エピソード17』
(通信状況等によっては30分〜1時間程遅れる場合があります。ご了承くださいませ)
大変ご不便をおかけしますが、よろしくお願い致します。
「シェリカはまだ六歳なんだ……あくまでも領主の見習いとして来ているわけだから、あまり仕事を任せすぎちゃいけなーー」
ガチャリーー
「あ、クロノさんーー領民の皆さんの要望書類の整理もう終わりましたよ♪」
「えっ?…………もう?」
シェリカが来て数時間ーーエドワードとの訓練を一度切り上げて書斎に戻ると、あれだけ散らかっていた書類が全てまとめあげられていたーー。
「はい!それぞれ領民で対処可能なものとそうで無いもの……領民で可能なものは、誰でも対処可能なものとそうでないもの……それぞれ難易度を三段階に振り分けて、初級ーー中級ーー上級に割り振っておきました!」
(な……なんだかものすごくわかりやすそうにまとめられてる!!)
「ちなみに……領民で対処が難しいものの中で、私たちでも対処が難しいもの……例えば、この治水工事なんかは水質うんぬん以前に、少し厄介な魔物が川の上流に住み着いている事から〝A級〟に振り分けさせて頂きました。なので、もし可能であればエドワードさんのお力添えをお願いできればと思うのですが……いかがでしょうか?」
「…………シェリカは六歳で、あくまで見習いに来ているのだけどーー」
「ーー?何か……言いました?」
独り言が漏れていたのか、キョトンとする表情のシェリカ。
「な……何でも無いよ!……わかった、先生に聞いてみるねーー」
「はいっ!お願いしますーー」
……………………。
「あの〜…………なんでこうなるんですか?」
「あん?シェリカの嬢ちゃんが言うには〝強力な魔物〟が住み着いてるらしいじゃねぇかーーこいつは、〝領主〟の出番だろ!!」
いや、川の上流にいる魔物大変危険らしいのですが!
「着いたぞーーたぶんあれがそうだ…………」
グルルルルルルッーー!と、唸り声を上げるワニの魔物ーーキラークロコダイルの姿が。
「げっ!……先生、俺あれと戦うんですか?」
「おう?どうした?……まぁ、怖かったら逃げてもいいぞ、お坊ちゃん!」
明らかに挑発を仕掛けるエドワードに、まんまと引っかかるクロノ。
「わかった、わかりました、やりますよ!」
(キラークロコダイル…………Aランク相当の魔物か……。普通のジャイアントスネークと討伐難易度は一緒くらいかーー)
はぁ〜、と深く息を吐きーークロノから仕掛ける。
「〝《潜伏》〟ーー!」
「っーー!!ほぉ〜う……〝暗殺系〟かーー」
(《潜伏》はスキルレベルが上がったし、前よりも魔力値も上昇したからそう簡単には解除されないはずーー〝《未来眼》〟!!)
保険としてキラークロコダイルの行動を先読みする。
そこで一つ……わかった事が。
「っーー!!《未来眼》のスキルレベルが上がると、敵がどう動くかだけじゃなくて、自身の最適な動きまでわかるようになるのかーー」
頭の回転力の補助機能のようなものなのだろうかーー。今までとは格段に〝眼〟の使い方が良くなっている。
ただ闇雲に逃げ回ったり突進するのではなく、一つ一つの行動に意味を持たせて無駄をなくしたーー〝最適解〟の行動。
クロノは短剣に向かって、〝スキル〟を発動する。
「〝《ポイズン》〟!!」
ブシャッーーと出る猛毒を短剣に浴びせて、そのままキラークロコダイルの脳天に突き刺す。
「ぐっーーグワアアアアアアアッ!!」
割と呆気なく、討伐任務は終わってしまったーー。
「えっ…………あれ〜、マジかーー」
エドワードもまたーークロノの圧倒ぶりに目を丸くしていたーー。
……………………。
ワニの肉はなかなか評判と聞く。
それを街に卸売りしようと思って、エドワードに聞いたら皮の素材なんかも含めて金貨2枚相当になる……はずだったらしいのだが。
「領主様ーー我々にはこれほどの素材を扱えるだけの資金も人材もおりませんーー申し訳ありませんがーー」
「…………だよね〜」
辺境の地というのは、悩みの種にあふれているのだ。
「…………やっぱり、専門職が必要だよな〜」
《鑑定スキル》。様々な適正や長所、短所を見極める事ができる稀有なスキルだーー。
世界でも所有している人数は限られており、《鑑定スキル》があれば相手のスキルなども見られるらしい……。
「それって……完全に〝神気〟のステータスチェックの上位互換だよな〜……」
ないものねだりにハァ……とため息を吐くクロノ。
とーー、そこへ。
「お疲れ様ですクロノ様。キラークロコダイルの討伐ご苦労様でしたーー」
「ああ……ありがとう、シェリカーー」
シェリカの入れてくれた紅茶を飲み、ホット一息吐く。
「…………これ、美味いなーー」
「はい!魔大陸に住むエルフの里で獲れる〝妙薬煎〟と言われる茶葉を使っていますので、滋養強壮から体力向上が見込める一品なのですよ!……味も良くて、嗜好品としてもなかなか人気なのですよ!」
「は……はは、そうかーー」
(アーモンドが淹れてくれてた時は財源に気を使って安物の茶葉を淹れてたのになーーやっぱりとってもしっかりとした味がするーー値段はーー怖くて聞けないけど…………)
「それで……何を悩んでいたのですか?」
「あ〜…………大した話じゃ無いんだけどなーー昼間、キラークロコダイルの素材買取をお願いしたんだけど……この辺境の領地じゃあ扱える人がいなくてさーー街のみんなの専門職を見分けられたらな〜と思って……それこそ、《鑑定スキル》を持っている人がいればさーー」
シェリカもさすがにこればかりはーーと頭を抱え込む。
「……すみません、一応知人に《鑑定スキル》を所有している人と面識がある子がいるので当たってはみますが……なにぶん、《鑑定スキル》は珍しいですからーー何とお詫びすればいいか……」
「いーーいやいや!シェリカが謝る事じゃ無いから……ね!ね?」
胸を締め付ける思いを体現するように、シェリカは渋い顔で胸元をぎゅっと掴む。
「クロノさん…………はいっ!ありがとうございます!!」
「っーー!!」
ゴクリーー、と生唾を飲み込む。
シェリカさん……落ち込んだ表情からのその笑顔はずるいってーー
「あれーー?でもアーモンドさんに聞いたところ、クロノさんは《鑑定スキル》をお持ちだと伺ったのですがーー?」
シェリカさん……一日でどこまで情報取集してる?
「ま……まあ、その。何だーー他にもできる人がいたらな〜って感じだからーーうん。あまり、気にしないでいいよーー」
やってしまったーー!!……嘘なんて、軽い気持ちでつくもんじゃないなーー。
キョトンと首を傾げるシェリカだったがーーニコリと笑顔に戻りーー
「それじゃあわたし……寝る支度をしますね!」
「ああ、わかったーー。おやすみーー」
「はい!おやすみなさい……クロノさん」
そのまま二人とも、自室のベッドで休息を取るのだったーー
「……………………。」
「……………………。」
「…………何してんだ?」
何故か、一緒のベッドで横になるシェリカ。
「クロノさんと一緒に寝ようと思ってーー」
「いや、部屋あげたんだから帰りなさい!」
「は〜い…………」
少し不満げに、退出しようとドアに手をかけるシェリカ。
「……クロノさんーー」
「んーー、何だ?」
クロノに向かって、シェリカは改め直す。
「明日も、よろしくお願いしますね!」
他意のないーー等身大の六歳の少女としてのその言葉が……今日一番胸に刺さったかもしれないーー。
「…………はぁ、まぁーーこういうのも悪くは無い……かーー」
(って、言うもののなんかーーシェリカにだんだん毒されて来てないか?俺!?)
そんな事を胸の内で叫びながらーークロノは静かに目を閉じるのだったーー。
……………………。
次の日ーー。
「またか…………」
もう何度見慣れた光景だろうかーーまたもプルシュスカがベッドに潜り込んでいる。
「ふみゃあ……あ、ご主人様ーーおはよう〜」
ふりふり、と尻尾を振るプルシュスカはとても眩しそうにーー目を細めていた。
「ああ……おはようプルシュスカ。それと、何度も言うけど自分のベッドでーー」
とーー、そこまで言いかけた時だったーー。
コンコンッーーとドアをノックする音がしてーー。
「おはようございます!クロノさん!今日はーー」
そこまで言いかけたシェリカが、ベッドの上にいる俺とプルシュスカを見て固まるーー。
「な、な、なーーなあああああああ!!」
未だにベッドの上で居座るプルシュスカに、目を白黒させるシェリカ。
「ク…………クロ、ノーーさん。これは一体どう言うーー」
「あ〜、おはようシェリカ……。これはーー」
何と伝えたらいいものか……そうクロノが思案していると、プルシュスカがベッドから降りてとてとてとシェリカの元へ歩み寄る。
「オ……オハヨウ、シェリカーー」
「っーー!!」
カタコトの人間語で挨拶をするプルシュスカ。
(やばい……シェリカーーこれ、怒るんじゃーー)
しかしーー
「……か、可愛いぃぃぃぃっ!!」
「ーーへっ?」
プルシュスカを抱きしめて、朝日顔負けの満面の笑みを浮かべるシェリカ。
「はぁ〜、わたしの負けですね……。わたしより先にクロノさんを起こしに行ってただなんて……さすが従者ですねーー完敗です」
少し悔しそうな表情こシェリカを、何言っているのかわからないと首を傾げるプルシュスカ。
何やら勘違いした様子のシェリカだったけど……この件はこのまま勘違いしたままでいてもらおう。ラッキー!
「それじゃあクロノさん……私たち先に下に降りていますね!」
「あ……ああーーまた後でーー」
(今日は何とかなったけど……本当にプルシュスカを何とか言い聞かせておかないと後々面倒な事になるなーー)
……………………。
食卓で皆ーー、朝食を食べる。
しばらくの間シェリカも泊まると言う事で、相応に賑わった朝の始まりだったーー。
アーモンドとエドワード、シェリカとプルシュスカという面々で今話し合っているので、久々にステータスシールドを開く。
「これ、面倒くさくてチェックするの忘れてたりするんだよな〜……そういえば、昨日のキラークロコダイルとの戦闘で経験値が入ったんだっけかーースキルは…………《睨みつけ》?ええとーー自身よりステータスの合計値が劣る相手を一瞬動けなくするスキルーーか。何かの折に役に立つかもなーーあとは……レベルアップは無し……けど、ここ数日の訓練が効いてるのかーー《筋力》と《敏捷》と《体力》は結構上がってるなーー」
一人ぶつぶつと思案するクロノを見て、シェリカが不思議な様子で問いかける。
「あの〜クロノさん。……一人で何を?」
「えっーー!あ、いや〜そのーー」
ステータスシールドが展開されたままだったからか、対面するシェリカにステータスチェックが入る。
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氏名 シェリカ・イザレア・セントルイス 6 女
所有スキル 《審美眼》《状態異常強化》《読唇術》《妖艶》《鑑定スキル》
パラメータ 《筋力》23 《敏捷》36
《知力》687 《反射》15
《体力》70 《魔力》205
スキルシリーズ一覧
魔眼シリーズ《審美眼》
ジョブシリーズ《鑑定スキル》《読唇術》
マジックシリーズ《妖艶》《状態異常強化》
特殊効果1:《頭脳回転補正》
1:通常よりも広い視野と速い頭の回転速度、深い洞察力が維持されます。
特殊効果2:《状態異常耐性》
毒、呪い等の状態異常を無効化します。
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「えっーー?」
「ーーん?」
(えええええええええ!ステータス高っか!知力値何これ……?魔力値もなかなか……ていうか、スキル多っ!いや……いやいや……特殊効果もあるし本当にシェリカ一体何者ーーえ……)
クロノはそこで固まった。
「どうしましたか、クロノさん?」
(《妖艶》とか《状態異常強化》とか色々気になるところがあるけれどーーそこじゃない。シェリカーー君は《鑑定スキル》を持っているのかーー!!)
ガシッと、シェリカの肩を掴むクロノ。
「ク…………クロノさん?」
「シェリカ……俺のーー俺のパートナーになってくれ!!」
「……………………へ?」




