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厄災の黒領主 〜追い出され貴族は辺境の地で領主になる〜  作者: 三ケ猫のしっぽ
シーズン1 『厄災の晩餐会編』・『厄災の旅路編』
15/71

15. レベルアップ


  「えっーー!?……一体、何がーー?」


  辺りを見渡しても、ジェノの影すら無いーー。完全に姿を見失ったーー。


  (まずいーー!!奴の場所がわからなければ次の攻撃に備えられないーー!!一体どうやってーー)


  その瞬間ーー目の端に僅かな違和感を覚える。その察知があと一瞬遅ければシユウは死んでいただろうーー。


  『カキィィィィィィィィィンッーー!!』


  峡谷に大きな鍔迫り合いの音が響き渡る。


  「ほうっーーよく防いだなぁ…………」


  「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっーー!!……危なかった…………」


  未だ、ジェノの姿を正確に把握できない。あくまでシユウが視界の端に捉えたのは不自然にゆらめく砂煙の未来のみーー。

  そこから一瞬で反射的に防いだ事は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という賭けに勝った事とーー単純に防ぎどころが良かったという運に助けられての出来事だったーー。


  「……お前のスキル、自身の姿を隠す能力かーー?」


  シユウは短剣を構え直し、問いかける。それをジェノは不敵に笑って答えた。


  「正解だーー。よくわかったなーーオレのスキルは《隠密》。気配を完全に断つスキルだ。ここまで追い詰められても尚、そこまで見抜いたのはお前が初めてだーー」


  「チィーー」


  完全に後手に回っているーー。しかし、シユウは諦めない。


  『カキィィィン、カキィィィン、カキィィィンーー』


  「いぎっーー」


  所々、防ぎきれずにジェノの攻撃をその生身に受けーー血を流している。


  「どうしたーー?スキルを見抜いた所で、お前の劣勢は変わらないぞーー?時間が経つにつれて死へと近づいていっているのは『お前のスキルを把握できないオレ』じゃなく『身体能力でも経験でも劣るお前』だーー。」


  ザクッ、スパッ、ブシュッーー!!


  ジェノの言葉通り、時間が経過すればするほど、シユウの傷口が増えていくーー。


  「はぁ……はぁ……はぁ……」


  (まだだ……まだあと少し……もう少しーー)


  ブシュッ、カキンッ、サッーー


  (大きな動きは見せなくて良い……奴をこの場所に引きつけるだけでいいーー、一瞬でも、奴に油断させる隙を作れればーー)


  スパッ、ザッ、ザザッーー!!


  (そろそろ出血多量で死ぬはずだーー何故何もしてこないーー?一体何を見計らってーーっ!!)


  ふとーー、そこでジェノは違和感に気づく。これまで一方的になぶられてなお、何の策も無しに抵抗し続ける事が出来るだろうかーー?


  「何もしない…………だと!?」


  ジェノはシユウをある程度認めていた。この短時間だが、シユウを()と認識する程までに、シユウの持つ力をジェノは評価していたのだーー。


  故に、冒険者として数多の死線をくぐってきた彼の勘が告げるーー。

  今すぐ逃げろーーと。彼が今、気配を完全に遮断する《隠密》を使っているにもかかわらずーー。


  (何を企んでいるのかは知らねぇが……これだけ傷口が広がりゃあ放っておいてもじきに死ぬーーそろそろ頃合いだ!!)


  『カキィィィンッーー!!』


  一太刀大きいのを入れ、それを皮切りにジェノがシユウから距離を取る。

  が……それはシユウに逆に隙を与える結果となってしまったーー。


  (待っていた…………!今……この場所……この瞬間ーー!!)


  「っーー!そこだーー!!」


  シユウは手持ちのナイフを、ゆらめいた影の部位目掛けて思いっきり投げる!!


  グサッーー!!


  「くっーーああっ!!」


  ジェノの経験を僅かに上回るシユウの《未来眼》での反応速度とタイミングの修正がうまくはまった一撃は、ジェノの横腹深くに刺さり込んだ。


  「くっ…………まさかこのオレが……こんなガキに遅れを取るとはなーー」


  油断したジェノは一瞬、姿を現す。再び現れた気配を《隠密》で遮断しようとするが……僅かに見せたその一瞬をシユウは見逃さない!!


  「これで…………トドメだぁーー!!!!」


  シユウはジェノに刺さった短剣をさらに押し込みーージェノの急所深くへえぐり込む。


  「ぐっーーぐはっーー!!」


  「…………ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッーー」


  ドロドロッーーと、傷口から溢れんばかりの血がこぼれ落ちる。


  勝負はーー決した。


  「……ハァ、ハァ、…………なるほどなーーこれが〝厄災〟って呼ばれる所以かーー」


  血を吹き溢しながら、ジェノは語りかける。


  「……ハァッ…………ハァッ…………覚えておくと良いーー。……お前の……本質は〝人殺し〟だーー。その目に映るお前の全てを…………お前の〝災い〟が滅ぼす事になるだろうーー」


  「…………それでも、オレは領主だーー。これから先、辺境の地で…………領主になる男ーーだ。……ハァッーー」


  ジェノは何がおかしいのかーーフッ、と笑みをこぼす。


  「…………オメェにゃぁ…………向かねぇ職業だよーー」


  そう言い残し…………息を、引き取る。


  人をーー殺してしまった。


  (これが…………人殺しの感触かーー)


  シユウはジェノのナイフを引き抜き、そのままふらふらともう一人の男の方へと向かう。


  まるでその様は、他貴族達が言っていた〝悪魔〟そのものだったーー。


  「くっーー来るなっ!ーー来るな来るな来るな!!」


  『タッ、タッ、タッ、タッ、』


  「す、ーーすまない!この通りだ!!頼む!見逃してくれ!」


  『タッ、タッ、タッ、タッーー』


  「き、貴族がーー人を殺して良いと思っているのか!!この化け物!!お前なんて後からやってくる俺たちの援軍が殺ーー」


  ザクリッーーと、もう一人の男もまたシユウの手に沈む。


  「ああ、…………また殺してしまったーー」


  返り血に溢れたシユウの目はーー先刻までの恐怖で動けなかった彼とはまるで別人のものだったーー。


  (人を殺して良いと思ってるーーか。ホントにオレは〝厄災〟だなーー。災いを起こしては逃げて、引き寄せては沈めて、いく先々で面倒ごとが起こらないと気が済まないらしいーー)


  シユウは空を見上げるーー。いつのまにか、日は殆ど沈みかけ、一番星が見え始めていた。


  (それにしてもーー流石に……ちょっとばかり疲れたーーかな…………)


  『ドサッーー』


  その場でシユウは倒れ伏す。七歳の少年にはーーあまりに過酷すぎる一日だったーー。



…………………………………………。




  ???「盗賊Aを倒しました。経験値を獲得しました。レベルアップしました。盗賊Bを倒しました。経験値を獲得しました。レベルアップしました。レベルが1→5に上がりました。〝スキル〟《盗賊の申し子》により、《隠密》、《言語翻訳》スキルを入手しました。戦闘中の使用により、《未来眼》のスキルレベルがLv1→2に上昇しました。戦闘の過程で〝特殊効果〟《反逆の意思》が覚醒しました。格上との戦闘経験ボーナスにより《筋力》、《敏捷》、《知力》、《反射》、《体力》、《魔力》の数値が5上昇しました。現在の能力値は以下となります」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


氏名  シユウ・ヴィ・ランスロット 7(男)Lv.5

 

所有スキル  《盗賊の申し子》、《未来眼》Lv.2、

       《天啓眼》、《隠密》、《言語翻訳》


パラメータ  《筋力》56 《敏捷》76

《知力》123 《反射》102

       《体力》168 《魔力》85


スキルシリーズ一覧


オリジンシリーズ《盗賊の申し子》


魔眼シリーズ《未来眼》《天啓眼》

 

ジョブシリーズ《隠密》《言語翻訳》



特殊効果1:《反逆の意思》


1:常に精神力が一定の基準値となります。



特殊効果2:《魔女の権能》


1:魔力の消費が85%軽減されます。


2:《未来眼》、《天啓眼》の使用限度が無制限となります。



称号:現在所有している称号はありません



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

                       


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