神話時代 魔王との戦い
約六千年前 魔王城王座の間前
「大きな犠牲がついたもんじゃが…やっとここまでこれたの。妾としてはちと休憩したいわ…」
「けどここまで来た状態で休憩は出来んよ。出来たとしても魔族の的になるのがオチだ。悪いけどこれ飲んで回復してくれ。」
「ドンマイレンフィー♪あともう一踏ん張りなんだから頑張ろ♪そして〜、この戦いが終わったらぁ~一緒に飲み歩こぅ!」
「お主が絡むと調子が狂うわい…けどノエル、その約束必ず守ってもらうからの。覚悟せい。」
エルフの少女、若き日のレンフィーがボロボロの姿になりながらも強大な気配を放つ扉の前で怖じけずに立ってはいるが満身創痍で弱音を吐くと、仲間の神官ノエル、原初の冒険者ルークが冗談交じりにフォローを入れて場を和ませる。ルークからもらった回復薬で調子を戻すと顔を叩いて再び扉と向き合う。
「すまんかった。妾はいつでもいけるぞ。」
「さてと、このふざけた戦いを終わらせるぞ!」
「うん!」
ルークが扉に手をかける前、ノエルが話しだす。
「魔族が侵攻して世界を壊されてから五百年、誰一人たどり着けなかったとこに私達いるんだよね。」
「全種族が命を賭けて挑んでるんだ。今回の作戦も妖精王、ドワーフ王、エルフの長の協力が無かったら最初の所で詰みだ。」
「魔族自体強い上に数も多いからの。この本拠地にアホほどおるから全兵力投入しても勝てるかどうかじゃ。」
レンフィーが横目に外を覗くとあちこちに煙が上がり、火の海となっている。味方が遠くで戦ってるのが見え、次々と倒し倒れていく姿が惨状を物語っている。
(やはりちとキツイか…急がねばな)
「今回は倒すんじゃない。封印するのが最優先だ。それを忘れるなよ?」
「ええ!(ああ)」
「ぐぁ!(きゃあ!)(く…)」
ルークが扉を押した瞬間、何かに弾かれるように三人が吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。レンフィーがとっさに防御魔法をかけてダメージを軽減したが、それでも口から血を出すほどのダメージを負ってしまった。
「な、何が起きた…」
ノエルの回復で全員立ち上がると、奥から禍々しい魔力を放ち、漆黒の炎を纏う不気味な人影が姿を現す。
「矮小な生物の分際でここまでこれたのは褒めてやろう。だが、我を封印するなど滑稽。貴様らをすり潰し、全て等しく我の奴隷としてやろう。感謝するがいい魔王の奴隷となるのは名誉なことよ。これは挨拶代わりだ。」
「「ここは任せて(ろ)…って嘘でしょ!?」」
魔王はそう言うと生み出した漆黒の炎を三人に向けて投げレンフィーとノエルでそれを防ごうとするが、二人が展開した魔法が飲み込まれ消滅したことに驚きを隠せなかった。その隙を見逃さなかった魔王は漆黒の槍で三人を貫いた。
そこからは一方的な蹂躙だった。




