幽閉された生き残り (2)
少し歩くとボロボロで家のようなものがあり、目の前に朽ち果てた耳長族の村には似つかない真新しい石製のドアが鎮座していた。少女が取り出した棒状の何かが触れると淡い光を放ちながら独りでに動き、少女は驚く四人を横目に手招きする。
中に入ると外からみた広さよりもかなり広い室内で、クロードがさっと見ただけでも八個の扉が見えており二階と地下への階段もあることで認識が狂う感覚に困惑している。
「ここじゃ。ちとしばらく待っとれ。」
戸惑う様子のクロード達を横目に待つように言うとそのまま下に繋がる階段を降りていき、暫くすると戻ってきた。
「…入れ。ちと狭いが、じきに広くなる。」
そう言うと手で合図を送りながらそのまま降りていったので四人はついていくと、広々とした空間の部屋に着いた。クロードは見たことがない装置があったりもして目移りしそうになるが脱出するのが最優先と切り替えて足場が悪い中置いていかれないようについていく。少し歩くと小部屋にたどり着き、応接間のように綺麗に整理された部屋の中で少女に促されるままに座る。
座る際、クロードは部屋の片隅に置かれているモノに目がついた。それは博物館から盗まれて以降所在が分かっていない目の形をしたダイヤだった。それを横目に見ていると少女が名乗り始めた。
(これは…)
「まだ名乗っておらんかったな。妾の名はレンゲルフリット=フィレーチェ。禁忌を破り永久の罰を受けたエルフじゃ。昔レンフィーと呼ばれておったが皆好きに呼ぶとよい。」
「私はクロード。探偵をやっております。隣にいるのは助手のユーリとリーンです。」
「ユーリです」
「リーンベルと申します。以後お見知りおきを。」
「で、こちらがウィルさん。…彼を探すためにここに来たら何故かこの場所に落ちる羽目になりましたが」
それぞれ自己紹介を始めて経緯を話すとレンフィーはため息をついて椅子にもたれかける。
「はぁ…まあ良い。ここに来れること自体ありえんことのようなものじゃ。予想できるわけなかろう。諮問官の嫌がらせと暇つぶしでおいた罠を越えて来るとは妾も想定しとらんわ。前に迷い込んで骸になっとった奴がおったが、妾もここで魔物になって彷徨われても困りもうてしまうからの。結界を張って送り返したこともあったの。」
(嫌がらせでこの数かよ…何度死にかけたことだか…というかしれっとあの謎に関する事も言ってるし底が見えん…)
「それはさておき。それでじゃ、察するにお主らここを出たいのではないか?お詫びとしてはなんじゃが妾が皆を外に送り返そう。」
レンフィーがそう言うとクロードが話す前にウィルが机を叩いて怒号をあげる。
「方法があるんなら早くしてくれ!家族が心配してるんだ!」
あまりの迫力にユーリがビクついて震えてしまったが、途端に杖を叩く音が部屋中に響く。




