幽閉された生き残り
「おっとすまぬ。久しぶりの人間なもんで接し方を忘れてしまったようじゃ。先ずはそなた等の傷を治さんとな。」
ローブを着た人物はまだ目の覚めない三人の傷を治していく。クロードが駆け寄ってみると落ちてできた痣は消えており、眠るように呼吸が落ち着き始めた。
「…感謝する。」
「礼なぞよいわむず痒い。ほれ、直に目覚めるじゃろ」
「う…うぅ〜ん。ここは…一体…?」
目を覚ました三人はゆっくりと体を起こし、起きたばかりのユーリが周りを見渡してそう呟く。ローブを着た人物は気だるそうな声でユーリの問いに答える。
「ここは牢獄であり妾の住処じゃ。昔はエルフの村じゃったが魔族に滅されてしもうたものを監獄に作り変えたもの。禁忌を侵したことに対する罰としてな。逆にお主らがどうやってここに来たのか知りたいくらいじゃ」
「「「…は?」」」
ローブの人物が発した言葉に四人の返答が一瞬遅れた。その人物は顔は見えないが四人の顔を不思議そうな目で見てるかのような雰囲気でローブをはためかす。
「ん?何じゃ何も知らんのか?最近あるエルフが投獄されたって話聞かなかったのか?」
「「「はあ〜!!?」」」
「ほれ、これが証拠じゃ。少しは信用したか?…何じゃ、そんなほうけた顔しおって!」
ローブを軽く引っ張り、はっきりと顔が見えるようになると幼い少女の容姿だが整った顔に長耳族特有の長耳が姿を見せる。四人は夢でもみてるかのような表情でそれを見つめた。
「う、嘘だろ…!長耳族といえばとうの昔に絶滅したはずじゃ…」
「ん?どういうことじゃ?いや、待て…確かに諮問官の奴ら顔を見せにこんなとは思っていたが…確認じゃ。本当に他の仲間は絶滅しおったというのか…?」
ブツブツ呟きながらウロウロすると、顔だけクロード達に振り向き質問する。
「えぇ、|辛いこと言いますが記録を確認する限り長耳族は二千五百年前に絶滅しました。…この目で見るまではでしたが。」
「そうじゃったのか…まさかそんなに経っておったとはおもわなんじゃ…」
代表でクロードが答えると、その少女はクロード達を見向きもせずそのまま背を向ける。その背中にはどこか諦めたかのような姿に見えた。クロードは思考を巡らせるが、脱出方法や返す言葉も思い浮かばず焦りがつのる。
(参ったな…となるとここを出るのは絶望的だぞ…くそ!)
「まあ、ずっとこのジメジメした場所で話すのもなんじゃ、奥に部屋がある。こい、案内する。」
「せ、先生。これついて行ったほうがいいですかね…?」
「もうとっくに袋のネズミだ。他に選択肢が出ない以上付いていくしかないよ。」
「で、ですよね…」
未知の場所でついて行くのもありユーリは不安な顔でクロードに問いかけるが、付いていく事になり引きつったでため息をついた。
「ここにいても埒が明かないのでリーンとウィルさんも行きましょう。」
「かしこまりました。」
「はあ、分かったよ…」
静かにしてた二人を呼び、奥へと進む。




