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洞窟を知る者(2)

部屋に案内されると少女が申し訳なく謝る。

「おじいちゃんが迷惑かけたようでほんとにごめんなさい…」

「頭を上げてください!」

「私達気にしておりませんので顔をお上げください!」

ユーリ達は必死に説得してどうにか頭を上げさせることが出来た。それでも少女は顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに二人を見つめる。落ち着くために三人はテーブルを挟んで向かい合うように座り会話を始めた。

「そういえば名前言ってなかったわ。私メリー、近くの雑貨屋で働いてるの。」

「私はユーリと言います。先程あなたのおじいさんと話していたのは私達の先生で探偵のクロードです。」

「リーンベルと申します。以後、御見知りおきを。」

メリーは雑貨屋の仕事の傍ら、手が空いた時に祖父の世話をしているという。

「おじいちゃんの名前だけど私知らないんだ」

「え?何故です?」

驚くユーリとリーンに困った顔をして頬をかく。

「名前教えてって何回か言ったけどいっつもはぐらかして教えてくれないの。もしかしたら名前無いのかなーって思っちゃう」

「そうですか…(はぐらかすってことはなにか言えない事でもあるのかな?うーん…先生ならこの時点で何か気付くと思うんだけど)」

「急に寒くなったな…夏なのに?」

無意識にクロードを過大評価するユーリに帰りの道中だったクロードは何かを感じたのか悪寒が全身を駆け巡り武者震いをしていた。

段々と話が逸れてきたのでユーリは本題を切り出した。

「私達を手招きした理由は何でしょうか?」

「おじいちゃんのことだからちゃんと言ってないなって思って。多分だけど黙ったままボーとしてた?」

二人が頷くと頭を抱えて大きくため息を吐いた。

「ただ先生が声をかけたら話すようになりましたが…中途半端に話が終わってそのまま港の方向に行ってしまわれたんですよ」

「やっぱり大事な事言ってないわ…」

「大事なこととは?」

今度はリーンがメリーに質問をした。メリーは思い出しながら話す。

「えーと…小さい時おじいちゃんから聞いた話なんだけど、三十年位前におじいちゃんあの洞窟の中に入ったことがあったんだって。なんでも夜遅くに海に出て船で寝ていた時に鯨の鳴き声が聞こえたらしくて、それで目が覚めたらいつもなら聞こえる渦の音が聞こえなかったんだって。それで気になって大渦の方へ行ったらしいの。」

「あの…大渦とは一体?」

「この村の近くにある崖に二つの大渦があるの。流れが早いし大きい魔物が出るから危険だって普段誰も近寄らないよ。」

「そうですか(勇気あるなぁ…)」

ユーリはメリーの話しをできるだけ聞き漏らさないようリーンと連携を取りながらメモをする。

「おじいちゃんが付近に着いたら崖から洞窟までの道が出来てて大渦が消えていたんだって。興味本位で行ったって言っていたけどそれ聞いた時ビックリしたもん!」

「(ですよねぇ…)それでおじいさんはそのまま洞窟に向かったでよろしいんですかね?」

「そう!中に入ると大っきい門があって入ると道が続いてたそうなの。急に水の音が聞こえるって後ろを振り向いたら門が無くなって崖と大渦が見えたんだって。」

((急にホラーになったんだけど!!))

驚きのあまり二人はメモをする手を止めた。

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