洞窟を知る者
「洞窟について何か知っていますよね?教えていただけませんか?」
「…………」
(ダメだ、これじゃあ話が一向に進まん…)
クロードも声をかけるもただ見つめてくるだけで反応が無い。どうしようかと悩んでいるとボソリと老人が喋りだした。
「洞窟に行くのか?」
「ええ、そうです。」
「…そうか、あそこは一歩でも間違えれば命はない死の洞窟。仕掛けに気をつけよ。」
老人は懐から小さな欠片を二つクロードに渡す。槍の形を象ったようなものと顔が半分になった耳長族がそれぞれ画かれている。
「これは何でしょうか?」
「鍵だ。必要になったら使うといい。洞窟までの道は三日月の夜、鯨の鳴き声が聞こえ大渦が消えた時に道は現れる。それまで待つといい。」
「教えていただきありがとうございます。」
鍵と道が現れる条件を聞き、お礼に金を渡すと頭を下げて漁村に向かった。
「(三日月が昇るまでまだ二、三日はある。その間は待機するしかないな。)二人共宿に帰るよ。」
「あ、先生!ちょっと確認したいことがあるので先に戻ってて下さい!」
「私もよろしいでしょうか?」
「それじゃ先に戻っているからあまり遅くならないように。」
ユーリの要望で先に戻ったクロードはこの後どうするか考えることにした。
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残った二人はクロードを見送ったあと老人を追いかけた。
「ちょっと待ってください!!」
老人は二人に気づくと怪訝な顔を浮かべる。
「わてに何か用か?」
「少し確認したいことがありまして。ストレートに聞きますが私が声をかけた時は一言も話してはくれませんでしたが何故先生の質問には答えたのですか?」
「うーむ…彼奴に、素質があったからのよう。」
ユーリの問に老人は戸惑いながらも答えてくれた。
「素質とは一体…?ちょっと待っ!!」
リーンもすかさず詰め寄るが機嫌を悪くしたのかそのまま足早に去ってしまった。
「ユーリ様すみません…先走りすぎました…」
「仕方ないです。これ以上話を聞き出すのは難しいと思っていましたので。」
「あのー!ちょっと来てもらえますー?」
二人が声がする方向を振り向くと三つ編みを結んだ少女が家の扉から顔を覗かせていた。少女は二人に向かって手招きをする。二人は顔を見合わせて首を傾げながら家に向かった。




