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洞窟の噂

町の中心部に近づくと騒がしくなっていた。

「あそこにいるのはユーリか?」

「そうみたいですね。」

二人は騒ぎの中心に行くととユーリが三人のチンピラに絡まれてるところであった。

「だから〜俺達と遊ぼうぜぇ〜!イイことしてやるからよぅ!」

「もう関わらないでください!!」

「ギャハハハ!!ますますそそるねぇ〜!」

ユーリは抵抗するが親玉と思われる長髪の太ったチンピラに右腕を捕まれ抜け出せずにいた。近くにいる村人は軽蔑の目でチンピラ達を(にら)む。

「またやってる。もうどっかに行って欲しいわ…いつまで我慢しなきゃいけないの?」

「まったくだ!早く捕まって地獄に落ちろ!」

「けど、ここの駐在は奴らとグルだし散々暴れ回われても無かったことにされて泣き寝入りするしかないんだよな…」

「助けたら報復でこっちが殺されかねない…まだ死にたくねぇよ!」

(またユーリ巻き込まれたか。ここまでくると巻き込まれ体質だよ…)

「痛ってぇー!!」

村人は報復を恐れ、見て見ぬふりをする。するといきなりパァンと乾いた音が響いた。ユーリが太ったチンピラに平手打ちをし、そのままうずくまった。

「それならもう容赦なしません!覚悟してください!」

ビンタされたチンピラは頬に大きな手の形をしたミミズ腫れがくっきり残っている。取り巻きの二人組は頭に血が上ったのか隠し持っていた武器でユーリに襲いかかる。

「今助けに…」

「いや、行かなくていい。」

「ですが見過ごす訳には!」

「見ていれば分かる。私達が出る幕でもないみたいだ。」

「え?」

「生意気な…覚悟しやがれ!!ぶぇ!?」

「この!迷惑かける人はこの私が許しません!」

「このガキ…舐めた口叩きやがって!!」

「てめぇら好き勝手暴れまくりやがって!!てめぇら覚悟しろやぁー!!」

「ブギャ!?」

ユーリは正拳突きで攻撃が届く前に沈め、どこからか現れた男がもう片方のチンピラを蹴り飛ばし馬乗りになった。太ったチンピラは混乱に乗じていつの間にか逃げ去った。ユーリはすぐさま追いかけたが見失ってしまった。

「経験である程度予想してたが…大体予想通りだ。(野次馬の乱入は予想外だが…)」

「はは…」

リーンは状況についてゆけず、苦笑いを浮かべるしかなかった。

「怪我はないか?おい、おめぇらいつまでこいつらに怯えるんだよ!!少しは抵抗しろや!」

ユーリを心配し、遠目で見る野次馬は男の怒号でたじろぐ。

「私は大丈夫です!あ、先生とリーンさんこのチンピラ重要な情報持ってます!取り押さえるの手伝ってください!!」

「分かった。とりあえず」

クロード達に気付いたユーリが応援を要請する。男も手伝い、縄で縛り付け人気のない場所に運ぶ。

「さてと…手伝ってくださりありがとうございます。」

「いいってことよ!こっちの問題なのに放置して迷惑をかけたのは俺の方だ。」

男は腰に着けてる袋の中から魚を取り出し差し出す。

「迷惑料だ。釣れたてだし鮮度は問題ないから安心してくれ。」

「失礼ながら名前を伺っても?」

「わりぃ、そういえば名乗っていなかったな。俺はブロッケンだ。」

「私は探偵をやっているクロードと申します。先程不良に絡まれたのが助手のユーリ、私の隣にいるのは同じく助手のリーンです。」

「ユーリです。初めましてブロッケンさん。」

「リーンです。」

メイドを連れてくる探偵だと奇異の目で見られるのでそれっぽい嘘をつく。リーンは驚いている様子だが何も無かったかのように振る舞う。

「ところでなんの用でこの村に来たんだ?見てからに観光に来たわけじゃないだろ。そうだとしても見るような場所なんて無いしな。あと探偵って職業聞いたことねぇ!」

「問いの一つ、探偵は騎士団の仕事を民間も許可を得てやっているものだと思ってくれればいいですよ。この街に来た理由はある依頼で人を探していたからとまでしか言えません。」

「あ〜もしやロットちゅうアホ息子が連れてきた三人組ってのがお前達か?」

「息子ってことはロットさんのお父さんで間違いないですね。」

「そうだ。あとさっきからそこの嬢ちゃんが話したそうにあんたを見てるぞ。」

嬢ちゃんと言われ殺意が湧くユーリだが、依頼者の親族なため必死に抑えながらクロードに話しかける。

「(落ち着け私…)先生、このチンピラ達が妙な噂を話していて確証はないんですけれども、どうやら行方不明の兄とその噂が繋がっているみたいです。」

「その噂ってのは何だ?」

「はい、ここから少し離れたところにある沿岸洞窟なんですが、なんでも大昔に繁栄してたエルフ族の遺跡があるみたいで不老不死の薬や失われた高度魔法の魔法の巻物(スクロール)あるとの事です。この伸びてるチンピラがその洞窟の外にある岩場に依頼者の兄と同じ特徴の人影を見たと言っていたのが聞こえまして…」

その言葉にブロッケンが反応した。

「それって禁忌の洞窟じゃねぇか?あいつがあそこにいるってことか!?」

「「「え?」」」

ブロッケンの言葉と気迫に三人は驚いた顔で振り向く。

「確かに洞窟はある、だが入り口はあるが潮の流れが激しくて入れやしねぇ。ただ、神様の気まぐれか道がでるって話だ。あそこには得体の知れない何かがいるみたいだからここの人間は滅多なことがない限り近づかねえ」

「場所はどちらになりますか?」

そこにはなにか手がかりがあると踏んだクロードは場所を聞くがブロッケンは困った顔を浮かべる。

「本当に行く気なのか?本当にウィルがいたとしても俺はあそこにだけは絶対に入らねぇからな!」

ブロッケンはその場所を言って、チンピラを片手ずつ掴んで引きずりながらその場を後にした。

「クロード様、この後はどうなさいますか?」

「とりあえず場所は分かったからまず私が洞窟周辺の地形を把握しておくから二人はさっきの事後処理をしてくれないか?」

「「分かりました。(了解しました)」」

クロード達は二手に分かれて行動した。


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