存在しない海岸道の村
ロットに道案内をしてもらい歩き続けること一週間。道中に過度に修行したせいで息が絶え絶えになったユーリを横目にクロード、リーン、ロットの三人は目的地の漁村が見える高台に着いた。
「ここまで来ればあともう少しなんで行きましょ!」
「そうしたいのは山々ですがこの子が限界みたいなので一回休憩しませんか?」
「ふー!わ、わたひはれんれんだいひょうふれす!!」
「ユーリ様…道中でも鍛錬を積んでいたことに関しましては感心しますが、過度にやりますからこうなるのですよ?早く役に立ちたいのは分かりますがやりすぎは体に毒です。」
「……」
リーンに痛いところを指摘されてどこからか拾った木の枝で体を支えるユーリは、そのまま俯いて黙ってしまった。
「こりゃあだいぶ限界みたいだなぁ、少し降りたら山小屋があるからそこで休むか。」
「分かりました。」
「そんなに固い話し方されると困るから普通に接して欲しいけど…」
「では…これでもいいかい?」
「まーだ固いがいいか。少し急だから気をつけな」
「ユーリ手を貸すからゆっくり行くよ」
「先生すみません…」
「私は魔物がいないか周りを確認しておきます。」
「分かった。何かあったらすぐに知らせて。」
「分かりました。それでは…」
リーンに安全確認してもらい、クロードはユーリに手を貸しながら先に行ったロットのあとをゆっくり追って行った。
しばらく山道を降ると山小屋が見えたので到着してなりすぐにユーリが腰を下ろした。
「もう〜限界!これ以上歩けない…」
「これに懲りたらあまり無理はしないように。お見苦しいところを見せてしまった。」
「頭下げなくていい!見なかったことにするから(笑)」
「ありがとうございます。」
クロードは懐からあの時のメモを取り出してもう一度見る。中身はこう書かれている。
「これを読んでくれる誰かへ
これを読んでくれる頃には俺がどうなっているのか想像できない。これから日付を書くけど時間がそれほど経っていないようであれば助けを呼んで!!夜中漁にでてる時に波にさらわれて気がついたら磯辺にいたんだ。近くに洞窟があるくらいでどこだか分かるような目印が無いからどうしたらいいか分からない。泳いで出ようにも海の魔物がウジャウジャいるせいで出られないから読んでるあんただけが頼りだ。 ヘルトリア村 村人ウィル」
読んだメモを裏返すと五年前の日付が書かれていた。しかし紙の保存状態があまりにも良すぎる為に偽物かと思い鑑定魔法で調べてみるも結果は五年前に作られたもので間違いないとの事だった。しかし、劣化していないとの結果も出てクロードの探究心にさらに火がついた。
「お兄さんが姿を消す前に何か気になった点はありませんでしたか?例えば…どこかに行くとか」
「うーん…随分昔にどっか行ったからあの時のことは全然覚えてないんだ」
(手がかりはこれしかないか。村に着いた時に何かあればいいが…何故だろう、嫌な予感がする。)
不安がよぎるクロードではあるがユーリが復活するまでは動けないので、思考を一時的に切り替えて休息をとることにしたのであった。




