捕物劇の結末
教会に着いて二人を見てもらうとユーリは矢が骨を貫通しており二週間は治療院で入院しなければならなくなった。本人はあの時無理をしたようで今は足を動かせなくなっている。リーンは目立った傷はないが、右足と左手の筋を痛めていたので魔法をかけてもらい完治した。二日後、二人でユーリを見ていると見舞いに来たウェスカー、ヴァレン、シェーンの三人はユーリに労いの言葉をかけた。
「嬢ちゃん災難だな!」
「ヴァレンさん…嬢ちゃんはあれほど止めてと言ってるはずですが!!」
「団長!!」
「す、すまん!」
(前回のこともう忘れてるのか…)
懲りずに二ヶ月前と同じことを言ったヴァレンはユーリの怒りを買い、シェーンに促されて謝る。それを見て苦笑いを浮かべるしかない三人であった。クロードはひとつ気になったことがあったのでウェスカーにあの事を聞いてみた。
「そういえば捕まえた二人組はどうなっているんだ?」
「あ〜その〜…ごめん、逃げられた…」
「「「「「…は!?(…え?)」」」」」
衝撃的な一言によってその場にいた皆の視線はウェスカーに向けられた。申し訳なく謝るウェスカーは言い訳を始めた。
「言い訳になってしまうけど捕まってからずっと大人しかったから諦めたと思ったんだけど、食事も摂らないから不審に思った部下が近づいてみたら人形にすり変わってたみたいなんだ…」
「それじゃあ、いつからすり変わったのか分からないから範囲が絞れそうにないな…」
「「「うーん…?」」」
騎士団組が悩んでいるとユーリが恐る恐る手を挙げた。
「あのぅ…先生、今の話には全然関係ないことですが一つ聞いてもいいですか?」
「どうしたユーリ?」
「私に何か隠していませんか?事務所に帰ってからずっとソワソワしてましたし、冒険者時代の話もそうですが二日前に怪盗が言ってた「同じ地獄を見た」ってことが引っかかってるんですよ。」
「私も同じです!クロード様がイカレ魔導師を倒したあの力は異様なもので、この世のものとは思えないほどの殺意が感じられました。どうしてそうなったのですか?」
「クロード…」
二人から聞いてきた以上クロードはこのまま黙っている訳にもいかないとなり、騎士団組は既に知っている為他の部屋に聞こえないように中級秘匿魔法「消音空間」を使い外に漏れないようにする。
「分かった。二人にも話しておかないといけない。ただこの話を聞いたら今までの生活ができなくなるかもしれない…最悪の場合数年後今ここにいる全員死ぬ可能性があるんだ。…それでもいいか?聞くのなら覚悟を決めて。聞かないのなら安全は保証するから…」
クロードは二人には聞かないと言って欲しいと願うが覚悟は既に決まっているようですぐさまお願いしますと頭を下げた。
「分かった。今までの事こらこれから起こるであろう予測について全部話すよ。」
二人の覚悟を見てクロードは秘密にしていた過去の話を始めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
話し終えるとユーリは白くなり絶望した表情を浮かべていて、リーンに関しては目を腫らしながらも大粒の涙を流している。
「(やはり二人にはこの話は重すぎたか…)ウェスカー…ちょっと二人を見てくれないか?」
「クロード!どこに行くんだ?」
「少しの間風に当たらせてくれないか?」
クロードはユーリ達をウェスカーに任せて風を当たりに湖の砂場に向かった。その後ろ姿を見て声をかけることすら出来ないヴァレンとシェーンはただ見守ることしか出来なかった。




