宝石の真の力
「あーあ…今回も上手くいくと思ったんだけどなー」
「最後の最後に気ぃ抜くやつがいるかっての!」
(さっきからずっと言い合ってるがよく飽きないな…しかしこれは不思議な感じがする…)
捕まった二人は互いに貶しあったりと喧嘩するが冒険者三人組に任せてクロードは取り返した宝石を眺めていた。するとヘートレンが声をかけてきた。
「その宝石の秘密知りたい?縄を解いてくれたら教えるよー?」
「誰が縄を解くと思う?知ってること全部話してもらうよ?」
笑いながら言ってくるヘートレンに呆れるが何かを知っている以上情報をどう引き出すか考えるクロードだが思い付かないでいた。
「それじゃ一つだけ言うよ。その宝石は鑑賞用には凄くぴったりなんだけど裏社会だと強大な力が封印されてる代物だってことで争奪戦が始まっているんだ。血で争うのを止めるために動いただけだって」
「それは一体どういうことだ!どの組織が関係してる!」
「言ったでしょ一つだけって、縄解いてくれるんなら僕が知ってること全部話すよ?」
「…ウェスカー、解放してくれ。」
「クロード何いって…」
「頼む…」
解放に反対するウェスカーだが、真剣な目で見るクロードに何か策があるかもしれないと考えヘートレンだけ縄を解いた。
「お〜いてて…きつく縛りすぎだよー」
「約束通り話してもらうよ。強大な力とは一体何だ?狙ってる組織についてもだ。」
「まず、その宝石は自然に出来たものじゃない。はるか昔、魔族が絶滅する前に作り上げた魔王の宝珠を人間が太陽石に封印したものだよ。長い時を経ていたから太陽石の効力を失ってダイヤモンドに包まれたようになってるんだ。その証拠に今宝珠から禍々しい魔力を放ってる」
「!?…ただの宝石しか見えないんだけど?クロードはどう見える?」
「なんだこれは?」
ウェスカーには見えていないようだがクロードには緋色の球から外に向かって滅紫色をした魔力の線が見えた。さっきまで出てはいなかったので警戒しながら見ているとヘートレンが警告してきた。
「探偵さん、あんた見えてるんだろ?それなら深く観察しない方がいいよ。古代の文献だとそれを見続けたら人を破滅に導くとされているから気をつけて。」
クロードは驚いてヘートレンを見た。その反応を見て大笑いする。
「あっはー、僕以外に見れる人がいるなんて。同じ地獄を見たってことだよね?」
「まさか君も見たというのか?」
クロードがそう言うとヘートレンの両腕の形が変わり、黒く変色した。さらに左足が黒い炎に包まれている。
「正解!四十年前にある事によってこうなってしまった。っていえば探偵さん経験してるから分かるね?」
クロードとグリコフ以外その場にいた皆はあまりの変わりように何も言えずにいた。すぐに元の姿に戻り、話を続ける。
「よっと、それが危ない奴に略奪される前に貰っておこうと思ってね!裏社会の中でこれを必死に探してる「夜鴉」から爆弾拝借して派手に行こうとしたけどまさかあれほどの威力あるなんて知らなかったけどな〜。」
口ではそう言っているが分かっていてやってる様子なので、楽しんでやってると思ったクロードである。
「また捕まってやんの!」
「うるさいグリコフ!」
「ウェスカー、この二人はどうする?」
クロードが聞きたい情報は聞けたのでウェスカーにも話を振ったが同じ情報とのことで追加で聞くことはなかった。ウェスカーは隙を突いてもう一度ヘートレンを捕縛した。そしてこの二人をどうするのかクロードは聞いてみた。
「度重なる窃盗と建物の破壊を考えるとさっきの話を差し引いても死刑は免れない。連行させてもらう。」
「そこからは私がいる必要がないからこれで失礼するよ。ユーリ、リーン、協会に行くよ。」
三人はウェスカーと別れ、怪我をしたユーリをクロードは抱えながら王都の教会へ向かおうとしたところ、博物館の入口で転移された組がずぶ濡れになりながら交通整理をしていた。全員が濡れていることと戻ってくる早さを考えてだと王都近くのヤッブル湖に落ちたと推測した。
「ハークション!!なんで必死になって戻ってきたらウェスカーが捕まえているんだよ…」
「団長、そんなに落ち込まなくても…」
「うるせぇ…悪いがこれ以上話しかけないでくれ…湖に落とされたせいで気持ち悪いんだ…悪化する…」
(やっぱり湖に落ちたか…この時期は物凄く冷たいから風邪ひかなければいいけど…)
予測が当たりクロードは苦笑いする。文句を言うヴァレン達を遠目に見ながら教会へ歩いていった。




