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怪盗VS探偵

剣の音が近づいてくるにつれ、重い空気が辺りを漂う。急に剣が重なる音が聞こえなくなると天井から白い煙が噴出し部屋全体が真っ白に覆われ何も見えなくなった。

「くっそなんだこれは!?全く見えないぞ!!」

「クロード、宝石はあるか!?急いで確認してくれ!!」

丁度近くにいたクロードが宝石の入ったケースを見ると宝石があった。クロードが黙って事前にケースに仕込んだ本物そっくりの偽物とすり替える上、発動者だけに警告音を出して知らせる上級秘匿魔法「ディシーブレンジ」が破られていないことに中身は本物と確認する。ついでに白い煙も調べたが特に問題はなかった。

「宝石は問題ない!この煙も目くらましだから気配で探知してくれ!!」

「宝石は今のところ大丈夫か…クロードそのまま見張っててくれ!」

「分かった。」

暫くすると煙は薄くなっていき、見えるようになってきた。するとドアが開いておりシェーンは柱に縄で括られていた。

「シェーン大丈夫か!?今(ほど)いてやる!」

「団長これは罠です!!近づくと…」

「「あ…」」

「「おい…」」

近づくヴァレンにシェーンが青ざめた顔で警告してくる。が、お構い無しに近づいた為床から魔法陣が現れ、二人はどこかに消えてしまった。

「あの魔法陣の模様からして転移魔法だね…しかもよく見ると所々手が加えられてどんな効果が混ざってるのかよく分からないや」

「多分だけど外の音が聞こえなくなったのもこれが原因かもしれない。とすると…仕掛けたのはあなたですね?」

突然警告音がクロードの頭の中でジリリリリリと鳴り響き宝石の方を見ると館長にこき使われていた青年がケースを持っていた。

「あはは…皆さんどうかしましたか?」

「よく見ると体格が最初に会った時よりもかなり微妙に違う…肌のハリからして偽の顔だと判別できますよ。あなたが怪盗へートレンですね?」

突然ヘートレンは笑いだしてクロードを無邪気な子供が新しい玩具を見つめるように見る。

「あはは〜。蓋を開けた途端に偽物とすり変わっているから驚いたよ!用意周到だね!」

「さて、そろそろ君の顔を見せてもらおうかな?しかも無理していそうだから戻しておくよ。」

ヘートレンの変装マスクを外し、肩を叩くとユーリと同程度の身長にまで縮んだ。見た目は眼鏡をかけた少年だ。

「この状況なら逃げる一手しかないけどこのまま逃げるのは僕の美学に反する。」

ヘートレンは懐から白いボールを取り出し、それを床に叩きつける。するとボールから白い煙が舞い、辺りを覆い始めた。勢いよく吹き出る煙に見失って見渡しているとふと体が軽くなる感触がし、体を触るとすり替えた本物の緋色の眼(スカーレット・アイ)が消えていた。ドアに向かう影がうっすらが見え、捕らえようとする。

「逃がさん!!ふぅー…はぁああ!」

「クロード待て!!ここであれほどを出すのはまずい!」

ウェスカーの言葉に白い煙を見ると、さっきとは違い粉が舞っていた。クロードは黒い炎を纏うとしていたので粉塵爆発(ふんじんばくはつ)を避けるために止めた。すぐさま影を追いかける。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

逃げるヘートレンにすぐに追いついたクロードは剣を抜いて切りつけた。

ヘートレンは即座に反応し防御した。

「あっぶなー!いきなり切り付けることないでしょ!」

「泥棒相手に手を抜く私ではない!!」

「僕も助太刀するよ!!」

「二人がかりは卑怯ーだ!それに泥棒じゃなくて怪盗だよ!!」

ヘートレンは文句を言う割に澄ました顔で二人の攻撃を避け続ける。

(この身軽さと立ち回り…かなりの実力者だな。)

「遊ぶのも飽きたしこれでお暇とさせていただくよ!またどこかでお会いしましょう!」

「「待て!!」」

ヘートレンの足元に魔法陣が浮かび、姿を消してしまった。それが転移魔法だとするとここには居ない証明となる。ウェスカーは魔法陣は消えてしまったがヴァレン達が消えた時と同じ魔法陣なため、居ないことを伝えた。

「クロード、残念だけどここにはもう居ないみたいだよ…」

「いや、まだ居る。ここまで防衛網を掻き乱してから脱出するのは至難の業だ。となると脱出に最適なのは粗くなった包囲網はカモフラージュにして最初から監視の目が薄い場所となる。もし逃げられてしまった時の保険として助手に誰が現れたら問答無用で捕まえていいと言っておいた。まぁあの実力だと返り討ちにあってる可能性が高いが…」

「どこまで用意周到なんだか…調子が悪いなんて嘘だと思ってしまうよ」とウェスカーは苦笑いを浮かべて答えたが何も答えずに二人でユーリ達がいる場所に向かった。

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