作戦会議
「え!先生の知り合いですか!?」
「そうだよ、元同僚で一緒に仕事をしたことがある。」
クロードはウェスカーと握手をし、久々の再会を喜んでいる。
「騎士団を辞めてから音信不通だったのに冒険者やってるなんて聞いてないよ?」
「私の本業は探偵だ。バルトラギルド長の頼みで一時復帰したまでだよ。」
「へぇー探偵かぁ…聞いたことも無い職業だけどどんな仕事なんだい?」
「やってることは騎士団と同じことだ。ただ万事屋までとはいかないけど幅広くやってる。」
クロード達の会話でAランクの女冒険者が声をあげた。
「あー思い出した!あんた昔うちにいた煉獄の魔導師だろ!私の事覚えてるかい?」
女冒険者の一言で他の二人も気付いた。
「煉獄のか!直接会ったことは無いがお前さんの評判は聞いてたぞ。」
「右に同感」
「忘れたのか?まだピーピーの頃に散々世話してやったろ!」
この一言でクロードは思い出した。
「ナルさんお久しぶりです。お元気で何より。」
「全然会ってなかったからすっかり忘れちまったよ!」
(先生の知り合い多いなぁ…冒険者や騎士団やってたことは何度か聞いてましたけど過去に一体何をやってたんですかね?)
ユーリは不思議そうにクロードを見つめている。リーンに関しては空気を読んで部屋の端にあった椅子に座って黙っている。丁度いいタイミングでウェスカーが話を切り上げ会議を始める。
「それじゃ本題に入ろうか。君達も知ってる通りこの博物館に盗賊が今夜の深夜に来る。それに伴い各班に別れて宝石の警備と周辺の巡回を任せたい。この建物はレンガ造りの二階建てで侵入可能場所は二ヶ所ある。まずはクロードを除くギルドグループは一階で不審者が居ないか回ってくれないか?」
「任せて!ネズミ一匹たりとも入れやしないよ!」
「俺らにかかればどうってことも無いんだよ!突破しても三秒で仕留める!」
やる気が十分すぎる二人を対称に髭を蓄えた冒険者はどっしりとした構えでウェスカーに提案した。
「一階ならそこまで広くない。なら二人で十分だから二ヶ所のうちの一ヶ所を俺に任せてくれないか?」
「うーん、なら裏口の警備を任せてもいいかな?あそこ死角になりやすいから見張ってくれると助かるな。」
「承知した。」
納得した髭の冒険者は腕を組み黙り込んだ。クロードは内面で自由すぎると苦笑いしつつも表に出さずウェスカーの指示を聞く。
「僕の部下達には二ヶ所目の二階ガラス窓がある廊下の警備をやらせる。残りのメンバーは最後の関所、大展示場で宝石の保護を行う。一通りは話したけど異議があれば今のうちに言ってくれないか?」
(嫌な予感がする。念の為ここの構造を見ておこう。)
嫌な予感がしたのでクロードは手を挙げる。
「なら一つだけ…助手達をどこに配置するかは私が決めていいか?」
「クロードの助手なら別に構わないよ。あの子達を動かす権限はないから好きにして」
クロードはそれが聞けるだけで良しとしてどう動くか考えるのに専念した。長い付き合いなのかウェスカーもなにか察したようだ。
「ほんとクロード君は相変わらずだね。まぁそこが君の長所で怖いところでもあるよ。さて、他に質問がなければ作戦を開始するよ!深夜まで時間はまだあるから準備は万全に!」
「「「「「了解!!」」」」」
((ぜ、全然話についていけないー!!))
ユーリとリーンは置いてけぼりのままこうして作戦会議は閉会した。




