腕がしなる少女 推理編(4)
「サンライト」を掲げながら五分の間階段を下ったり上ったりと何回か繰り返し、行き止まりにたどり着いた。
「おかしいな?ここまで一本道だったからここが行き止まりならどこかで鉢合わせているな。もしかしてまたさっきみたいにどこかに繋がっているのか?」
クロードは魔法の明かりを頼りに壁を調べたら、奥の土壁がからくり仕掛けみたいに少しずつ移動し、人一人が這うように進めば通れるぐらいの道(穴)が出てきた。慎重に進むとあかりが見え、話し声が聞こえたから歩みを止めた。
「……………………」
「(何を言っているんだ?もう少し近ずいてみるか。念の為姿を消しておこう。)ミラーフェイス」
隠密系闇魔法「ミラーフェイス」を使うと透明な膜がクロードの体を覆い、自身を周りと同化させることができる。ただ膜自体がとても弱いため、ちょっとした事でもすぐに破けてしまうのであまり実用的ではない。しかし今の状況なら忍び込むのに最適でやり過ごすことができる。膜が破れないように慎重に進んでいき出口から顔をのぞかせる。
「やはりそうでしたか…ではそのようにさせていただきます…ええ、必ずや成功させていただきます。それでは」
「(くそ、あまり聞き取れなかった。しかしまずいな…このままだと見つかるからこっちに来る前に中に入ろう。)」
マシューの声が聞き取れたのはここだけだった。クロードはこの穴にしかない出口に向かってくると思い、ゆっくりと体を動かして侵入した。クロードの予想どうり入ってきた道を戻っていった。
中はあまり広くなく、紙や本、魔道具、果ては見たことも無い何かがゴチャゴチャと散乱していた。
「あまり中は綺麗じゃないな。さてと、どこから手をつけようか…ん?これは何だ?」
机らしき台の上にあるメモを見る。この前のユリア襲撃事件の計画が事細かく書かれたメモだった。その隣には次の計画や今後の流れを練っている最中のメモもありクロードはまず襲撃計画の中身を見る。
ユリア襲撃時水魔法の一つ、眠魔法「アクアナーチェ」をかけて眠らせその間にドレッゼの新開発魔法、幻呪魔法「ミルゲイル」で複数の呪いをかける。もうひと手間を加えて痕跡を消しすと、原因不明の解けない呪いとなり二つの家が混乱する隙に重要機密を持ち出して利益独占と商家を破壊すると書かれていた。
「アーネットさんに雇われている執事ではないのか!?何のためにこんな事を…」
怒りが込み上げたクロードは隣のメモも見る。もしユリア達から見たら静かに怒っているように見えると思うが、ユーリからすると背後に死神を抱えているように見えるクロードがそこにいた。何故なら驚愕な内容が書かれていたからだ。




