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37.羨望と嫉妬

「じゃあ、次はわたしの話かな」

 マリアさんは人差し指を唇につけ、右上に視線を向けて話し始める。

「わたしはね、結構遠い所から来た、留学生なんだ。だからここは何もかも新鮮ですっごく楽しいの」

「この学園に来たのはね、社会見学みたいなものなんだ。わたしに色々教えてくれていた、先生?が、行っておいで~って」

 その行っておいでだけでこのエリートクラスに入れるのって、かなり凄くない?

 マリアさんもやっぱり天才なんだね。


「あ、セシルちゃんってスキル持ち?」

 突然の質問で少しびっくりしたけど、私はこくんと頷く。

「わたしもなんだ~って、Sクラスにはスキルを持ってない人は一人しかいないから、珍しくはないんだけど」

 スキルって1%くらいしか発現しないんじゃなかったっけ。

 これが……Sクラス……

「わたしのスキルは『神の審判』って言うんだ~」

 名前からして凄そうなスキル。

 私の『模倣』とは大違い。

 強そうで羨ましいし、ちょっと拗ねちゃうかも。

 あ、『模倣』が弱いって訳じゃないんだよ?

 字面の話だから。

 マリアさんがSクラスに入れた要因ってこのスキルなのかな?

 一体どんなスキルなんだろう。


「『神の審判』はね、わたしと対象に指定した相手を審判をするの。『どちらの人生が罪深いのか』って。それで、より罪深い生き方をしていた方が、相手との差分の罰を受けるの」

 む、難しいなぁ……

 つまり……悪いことをしていた方が攻撃を受けるってことだよね?

 徳を積んでたら滅茶苦茶強いってこと?

 マリアさんは優しそうな人だし、きっとこのスキルは強いんだろうなぁ。

「これって使いにくいスキルなんだよね」

 ど、どうして?

「だって、力加減出来ないし、間違って善良な人と審判してら、わたしが罰を受けちゃって、最悪この世からさよならバイバイしちゃうからね」

 さらっと怖いこと言った……

 でも明るいトーンで話すからなんて反応すれば良いか分からない。

 取り敢えず、苦笑い。

 

「セシルちゃんのスキルは?」

 マリアさんのその言葉を聞いたエルディさんが口を挟もうとしたけど、私はそれを阻止する。

 スキルを使い、腕をフェンリルに変えたのだ。

 

 エルディさんに説明して貰っても良いけど、出来る限り私が直接コミュニケーションを取りたいんだよね。

 だって、今お喋りしているのは私とマリアさんだから。

「うわっ、もふもふだ~!」

 え!?

 マリアさんが私に抱きついてくる。

 そして腕に頬をすりすりする。

 少しくすぐったいなぁ……!


「セシルちゃんのスキルって、ワンちゃんになるスキル?」

 腕に顔を埋めていたマリアさんが顔を上げ、興奮気味なのか鼻を鳴らしながら、淡黄色の瞳で私の目を見つめてくる。

 これじゃどっちがワンちゃんか分からないよ。

 

 私は腕を元に戻し、そして、腕をメラさん──ムードリィバードのエメラルドグリーンの翼に変える。

 これにはマリアさんだけでなく、エルディさんも驚いている。

 エルディさんもスキルの詳細は知らないのかな?

「すっご~い……!」

 マリアさんは私の翼を優しく撫でる。

 今度はくすぐったくなく、暖かくて落ち着くような触り方だ。

「セシルちゃんはすっごいスキルを持ってるんだね」

 褒められて私は心が暖かくなり、それで一杯になる。

 だからこそ、気付かなかった。

 

 マリアさんから微かに溢れる羨望と嫉妬心に。


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