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34.甘えは厳禁!でも、甘いものは大好き!

遅くなってすみません!

 剣術試験から数日経ち、私はすることも無くゴロゴロしている。

 エルディさんは仕事で昨日から何処かに行っちゃったし、外に出掛けるのも前回の迷子の件もあって、禁止されちゃったし、な~んにもすることが無い。

 文字さえ読めたら、エルディさんの部屋にある大量の本が読めるんだけどなぁ……

 文字を勉強するにも、教えてくれる人がいないと無理だから、今日中に本を読むことは不可能。

 

 することが無くて、森で暮らしてた時は何してたっけな~って思い返してみたら、それは大体狩りか魔法の練習、それか絵を描いてたんだっけ。

 狩りと魔法の練習は室内では無理だけど、絵は描けるなって思ったけれど、紙が無くて断念した。

 あ、エルディさんの仕事の資料みたいなのはあったけど、流石にそこに絵を描くのはやめといた。

 10年少し森で暮らしていたとは言え、全く常識が無い訳じゃ無いからね?

 

 ん~、寝てばっかりも性に合わないし、室内で出来る運動でもしよう。

 私はストレッチを始める。

 急に動くと思わぬことが起きるかも、だから。 

 

 十分くらい掛けて、念入りにストレッチをする。

 そして、ストレッチが終わった後は、漸く運動。

 まずは……腹筋とか?

 私は腹筋を始める。

 一応100回くらいしようかな。

  

 ……これで100回。

 流石に少し疲れたかも。でも、甘えてたらダメ。

 私は腕立て伏せを始める。

 勿論これも100回。

 

 ふぅ、100回終わった……

 もう無理かも。

 私は腕を折り、床にうつ伏せになる。

 腕立て伏せってこんなにきつかったかな。

 腹筋の後、休憩せずに続けて始めたからかな。

 まぁ良いや。今は休憩。

 私はうつ伏せのまま休憩する。

 ここから動く気力も湧かなかったからだ。

 こんな情けない姿、誰かに見られたら恥ずかしいな。


「セシルさん?」

 何故だろう。そう言うことを考えた時に限って人がやって来るのは。

 私は力を振り絞って、扉の方へ顔を向ける。

 そこには紙袋を持ったエルディさんが不思議そうな顔で、情けない私を凝視していた。

 私は恥ずかしくなって顔を伏せる。

 あぁ~!何で今帰ってきたの~!

 

「あの、出張先でお土産買ってきたんだけど」

 お土産?

 エルディさんは私の横を通り、机に紙袋を置き、そこから紙箱を取り出す。

 なんだろう、あれ。

「出張先の名産、葡萄が沢山入ったケーキ。食べる?」

 ケーキ?ケーキってあの、貴族とかが食べるあのケーキだよね?

 私って元貴族だけど、扱いが酷かったから、ケーキ食べたこと無いんだよね。

 そんなケーキがなんと食べれると。

 もう動く気力が無くなった筈の私の身体が、その事実を理解すると機敏に動き、紙箱が置かれてある机にしがみつく。


「……仔犬みたいだな。ま、ケーキ食べようか」

 そう言いエルディさんは皿とフォークを持ってきてから、紙箱を開ける。

 うわぁ……!

 凄く甘くて良い香り……!

 紙箱の中に入っていたのは、柔らかそうなスポンジが白いクリームと葡萄で一杯になっている、三角形の凄く凄く美味しそうなケーキだった。


 エルディさんは2つのケーキを各々皿に乗せ……

「はい、どうぞ」

 その一つを私に渡す。

 渡されたのとほぼ同時に、私はフォークを使い、小さく取ったケーキを口に運ぶ。

 

 ……美味しい。

 なんだこれ。凄く美味しい。

 あ、美味しい。

 

 私は無限に食べ続け、一瞬でケーキを食べ終える。

 本当に美味しいものを食べると、語彙力って無くなるんだね。

「喜んでくれて良かったよ」

 エルディさんは私を見て、幸せそうな顔をする。

 ケーキをくれてありがとうございます、エルディさん。

 私はそんな感謝の意を伝えるため、エルディに負けず劣らずの幸せそうな顔を見せた。

 

 

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