表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/45

30.最低な決意と最悪な迷い

 あの夜から三日経った。

 あの後エルディさんに妙に気を遣われていたことから、多分覗いてたのが気付かれていたと思う。

 エルディさんが、私があの三人を殺めたことを知らないと思うと、正直心が痛んだ。

 この少し不器用で、だけど暖かいこの優しさは、私の隠し事によって与えられていると思ってしまったから。

 もし、この隠し事が暴かれれば、関係悪化どころか、私の首は一瞬で消し飛ぶだろう。

 だから、私は隠し続けなければいけない。

 この大罪を犯した過去を。


 そんな最低な決意を固めた私は、お昼頃に私は一人で街を散策していた。

 どんな街か改めて見てみたいと言う思いと、これまでに溜まった不安やストレスを解消するためだ。

 本当は監視と保護のために、エルディさんに付いてきてもらうべきだったけど、私に付き合ってばかりで仕事を陸に出来ていなくて、徹夜で仕事をして今は死人の顔でソファーに沈んでいる。

 だから私は一人で外出している。

 一応エルディさんから許可は取っているけど、あの様子じゃ覚えているかかなり怪しい。

 でも、許可を取ったものは取った。何ら問題は無い筈だ。

 

 私は当てもなく歩き回る。

 森での生活で体力はついているから、ずっと動き回っても大丈夫。

 ここは森とは比べて凄く便利だ。

 狩りをしなくても凄く美味しい料理を食べれるし、ふっかふかのベッドで警戒もせずにぐっすり眠れる。

 それに髪も服も綺麗になったし。

 それだけを聞いたら天国だと思う。

 だけど、違う。


 私は何不自由していない。

 でも、心にすっぽりと穴が空いて、なかなか埋らない。

 ……きっとこの穴は、淋しさなんだと思う。

 この街には、沢山の人がいる。

 でも、私の知り合いはエルディさんくらいだ。

 あの森には、殆ど生物がいない。

 でも、私の知り合いは赤ずきんさんにメラさん、それに大好きなフェンリルだっている。


 何て言えば良いか分からないけど、この二つって全く違うんだ。

 常に私は思ってしまう。

 『フェンリルに会いたい』と。

 でも、それは叶わない。

 フェンリルが私を人間に預けたのはきっと、私との生活に飽き飽きしたからだと思う。

 フェンリルとの生活を思い返していても、私はフェンリルに与えられてばっかりで、フェンリルに何かを与えた記憶が一切ない。

 そんな私に嫌気が差して、私を人間に預けたんだ。

 だから、もう『フェンリルに会いたい』と言う願いは叶わないんだ。

 

 ……何やってんだろ、私。

 不安やストレスを解消するために散策してるのに、余計溜めていってどうするの。


 私は頭を横に振り、両手で頬を軽く二回叩く。

 気持ちをリセットさせるためだ。

 ……よし、もう夕方だ。冒険者ギルドに帰ろう。

 私は来た道を戻って──いけなかった。


 色々考えながら歩いてたから、道なんて覚えてなかった……!

 お、落ち着け落ち着け。

 深呼吸しよう。


 ……冒険者らしき人の後ろ付いていこう。

 そうすればいつかたどり着く……筈。







 二時間後、私は精神的に草臥れて冒険者ギルドに帰ってきたのだった。

 

 エルディはキレると敬語になるタイプ。




 評価・いいね・感想を頂ければ幸いです!モチベがぐんと上がります!ヽ(。ゝω·。)ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ