20.転生者
視点変わります。
「アレキサンダー様」
「分かってるよ、今直ぐ行くから」
俺、アレキサンダー · アルフレッドは、王都アルグレイヤにある魔剣術学園の試験を受けるため馬車に乗る。
突然だが、俺は普通の人間では無い。それには大きく二つの理由がある。
一つ目はここ、ランドムル王国の第一王子であること。
王子……素晴らしい響きだ。姉上は王族と言う立場を嫌っているようだが、俺は真逆。今の環境が大好きだ。
何不自由ないこの生活、好きなモノは手に入るし、皆からちやほやされる──これ以上の贅沢は無い。
だから俺はこの王国の王子で幸せだ。
これだけでも普通の人間では無い理由としては十分過ぎるのだが、俺にはもう一つ、大きな大きな理由がある。
それは、俺には前世の記憶があることだ。
俺の前世は今と比べて劣悪なものだった。
前世の名前は柴光太郎、その名前のせいで俺の名前はいつも(忠犬)柴公だった。
名前だけではなく、俺は扱いさえも犬そのものだった。
全てが平均以下だった俺は学校でも会社でもパシられてばっかだった。
そんなある日、俺はいつものように残業後、帰路についていたら、後ろから突然刃物で突き刺されたのだ。
俺を刺した後、直ぐに鞄を漁っていたことから、強盗殺人って奴だと思う。
それだけでも地獄だったのに、俺は気付いてしまった。
俺を刺した犯人が、俺が密かに恋心を抱いていた会社の同僚だったのだ。
俺を狙った理由は恐らく、相手にそういう気を持たせるために、よく奢っていたことから、俺は金を持っている人間だと勘違いしたからだろう。
そのためか、俺の鞄を漁った後、舌打ちをして走り去っていった。
ひたすらに恥辱。人生良いことなんて、一つも無かった。
そう薄れ行く意識の中、苦笑をしながらそう思った。
それから俺は何と、目を覚ましたのだ。──誰かの腕の中で。
当時は恐ろしく戸惑った。だが、その戸惑いは直ぐに消え失せ、好奇心や希望に塗り替えられた。
──この世界は異世界で、所謂ファンタジー世界と言うものだと気付いたのだ。
俺は前世でもう賢者と呼ばれる存在だったが、当たり前だが魔法は使えなかった。
だが今は違う。魔法も使えるし、剣も使える。
更に俺は王族だからか、魔法も剣も人並み以上に使いこなせ、頭脳も容姿も“完璧”だった。
だが、俺はそれだけでは無かった。
俺にはチート──この世界ではスキルと言うものがあった。
俺のスキル、『神眼』
普通の鑑定とは違い、自分より強い者の能力も見れて、更その者の過去の大きな出来事も知れる。それに、何とスリーサイズも。
つまり、全部丸裸ってこと。
一見微妙なスキルっぽいけど、俺にとっては最高のスキルだ。
だって、神の眼とかカッコ良過ぎるだろ!?
それに、スキルを使ったら、普段青い目が赤くなるんだよ?
最高じゃないか~!
んな訳で、超ハイスペックな俺は順風満帆な人生を歩み、現在、筆記試験に挑みに試験会場である魔剣術学園に到着したのだった。
これから柴公視点がちょくちょく出てくると思うので、分かりやすくするためにサブタイトルの工夫を考えて見ます。アドバイスがあれば是非、感想で教えて頂ければ幸いです!
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