18.一人ぼっち
遅れてすみません
私は取り繕う暇も無く窓に駆け寄る。
窓の外には人、人、人……
本当に街にいるんだ……
しかも人の量や建物の雰囲気からかなり都会に見える。
あ、でも私が社会から隔離されていた十一年間で、大きく発展した田舎の可能性もあるのかな?
「ここは王都アルグレイヤの冒険者ギルドだよ」
いつの間にか私の隣に立っていたエルディさんが、そう話す。
笑顔で話し掛けてくるエルディさんとは裏腹に、私は胸騒ぎがした。
王都アルグレイヤ、魔法や剣術の教育や研究に力を入れているランドムル王国の首都。
そして、私にとって最も重要なのが、ライデンスノー家はランドムル王国の傘下に入っていると言う事実。
つまり、ここにライデンスノーの人間がいる可能性が高いと言うこと。
幼い頃、ライデンスノー家で虐げられてきた日々の記憶が、頭の中を駆け巡る。
そんな言葉を、そんな目を、私に向けないでよ……
頭が、痛い……
「大丈夫か?気分が悪いなら無理するなよ」
心配しているような声を出すエルディさんは、私の肩に手を置く。
私は小さく頷きながら肩にあるエルディさんの手を退かし、身体を翻して寝かされていたソファーに沈むように座る。
ここにはあのライデンスノー家の人間がいて、逆にフェンリル達はいない。
漸く落ち着いてきたと思えば、私の胸の中は不安ばかりが募っていく。
何でフェンリルは私を人間に預けたんだろう。
私はそんなことこれっぽっちも望んで無かったのに。
ずっとフェンリル達と森で暮らしていたかったのに。
……もしかして、フェンリルはそれを望んで無かったの?
フェンリルは私との生活に嫌気が差したのかな……
『そんなはずは無い』と思う気持ちの中で、私は何処かで『仕方がない』と考えてしまう。
だって私はフェンリルに迷惑ばかり掛けてきた。
それなのに私はフェンリルに対して何も出来ていない。
客観的に見れば、フェンリルが私との生活に嫌気が差したと言われても当然だと思う。
私はもう一度、改めて自身を客観視する。
家族は敵で、フェンリルとは離れ離れ。そして今は魔物の駆除を主に仕事とする冒険者ギルドにいる。
私が心から信用出来る人は近くに──いや、もう何処にもいないのかもしれない。
私は、一人ぼっちだ……
「セシルさん、俺は味方ですよ」
思索に耽ていると、突然エルディさんが私の手を掴み、口調を強くしてそう言う。
俯いてあっても分かる。エルディさんが私を真っ直ぐな目で見つめていることを。不安を募らせている私を元気づけようとしていることを。
もう、分からない。
誰が信用出来て、誰を警戒しなければいけないのか。
でも、今は……
エルディさんを信用するしか、道は無いんだと思う。
大した病体では無いですけど、最近持病(?)が悪化気味で、不定期投稿になると思います。
ある程度調子が戻れば元通り投稿する予定です。
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