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無価値
背中に回された手。
突き放してくれたら楽なのに。
その優しさが私を蝕んだ。
どれだけ時間が経ったかなんてどうでも良くて、私は少し落ち着いてから夜桜から離れる。
「ごめん」
腫れぼったくなってる目を擦りながら、空っぽな言葉が部屋に落ちる。響く事も、何か変えられる言葉ですらない。
ただ意味の無い単語。
また、夜桜は何も言わなくて。聞こえないはずがなくて。
どう思われてるか考えるのも怖くて、怖くて。
「ごめん」
「聞きたいのはそんな言葉じゃないよ」
夜桜が無機質で、空虚で、反射的に言った。
怒気も何も無い。感情的にならず、理性的に私の言葉に、私に向き合おうとしてくれている。
こんな時でも優しくて、余計に辛くなる。
私にはそんなふうにしてもらう価値は無いから。




