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生活と私
どうして夜はこんなにも静かなんだろう。
街は眠ってしまうのだろう。
音がなくなってしまうのだろう。
私を呼ぶ声は嬉しいはずなのに、こんなにも苦しくさせるなんてやっぱり月陽は罪な女だ。
「……珈琲淹れるよ。私の考え聞いてくれる?」
多分腫れた目。
力が入らない体。
立ち上がるのも難しくって首を縦に振るしかできない。
「居なくならないでね」
私を引き止める鎖のような言葉を私に巻き付けて、慣れたようにケトルに水を入れ湯を沸かし、その間に珈琲の分量をドリッパーにスケールで計って待つ。
初めは無かったコーヒーサーバー。
初めは無かったドリップポット。
月陽の生活に確実に私が居るのに。
それだけじゃ、ダメなんだ。




