特別スキル!
爆発した廃工場の跡地にはなにやら階段のようなものがあった。
「地下があるのか」
「爆発して更地になって初めてわかる地下への通路……」
「とりあえず行ってみよ!」
ということで私を先頭に、地下へ繋がる階段を降りていく。
またあんな敵だと誤認させるようなトラップがないといいが。そう思いながら階段を下りていくと、一つの部屋にたどり着いた。
宝箱が中央に設置されていて、壊れた石造とかが散らばっている部屋。特にこれといったトラップはなさそうではあるが……。
用心しつつも、私たちは宝箱に近づいていく。
そして、宝箱を開けた。
その中にはスキルの秘伝書のようなものが入っている。だがしかし、普通の秘伝書とは違うような色合いだった。
灰色の巻物。鑑定してみるとスキルの秘伝書(特別)と出ている。
「特別なスキルの秘伝書だって!」
「自爆させるのが最適解だったのか……」
「さぁね。ほらよ」
私は私のスキルの秘伝書をテンコに投げ渡す。
「え、いらないの?」
「私はいい。っていうか、まだ怒ってるだろ? 詫び」
「そっか。許す」
「許された」
スキルは気になるが……。
テンコは早速使用していた。すると、テンコの身体から何やら機械の腕が背中から生えている。
「えっ、なにこれ!?」
「機械の腕が俺にも出てきたぞ?」
「そういうスキルか。腕とか増やすスキル?」
あのとき二人を連れ去った機械の腕。
ワイヤーみたいな細長い腕にぶっとい三本指の手がついている。テンコはそれをぶんぶん振り回してみていた。
どうやら自分の意思で動かせるらしく、この腕でスキルを使用できるらしい。要するに二人は攻撃手段がもう一つ増えてしまったということか。
これが相手ならちょっと苦戦してたかもなぁ。
「ま、出ようぜ。ここに長居する理由もないでしょ」
「うんっ」
ルンルン気分で階段を上がっていく。
外に出ると、そこは油の泉の外だった。どうやら油の泉から出られたようで、あの工場がやはり攻略必須のものだったらしい。
地下の部屋に繋がる階段が消えている。
「はぁ。出られなくなったときにはどうしようかと思ったよ」
「まぁ、楽しかったな」
「疲れた……」
「エルがそういうのって珍しいね? 割と体力お化けじゃんエルって」
「いや、そうなんだけどね。ぶっ倒れてからなーんかまだ本調子でないのよ。思考に雑念が入りづらくなったけど体力がガタって落ちたような感じ」
あの熱による私の弱体化である。
まぁ、今現在は病み上がりみたいなものだからしょうがないとは思うが。
「それに、武器も今持ってないから二人を倒すのもまぁまぁきつかったし」
「……武器なし?」
「うん。作ってもらうの忘れてんだよね。だから熾天使の剣とかでどうにかしてるんだけどさ。スキルがあれ装備している武器の攻撃力が加算されてないからまぁまぁ弱い。二人を倒すのにもクリティカル部位を的確に狙ってたからさ」
「……弱体化してるお前にワンパンされるのもなんか気に食わんな」
「わかる。大変さをアピールされたってねぇ」
まだ許されてないんですか。




