始まりのボス
「さー、ボス行っちゃうよーん!」
テンコは意気揚々と拳を掲げる。
ボスを倒したら次の町にいけるというシステムらしい。もちろんテンコはすでに倒してるので行けるらしいが私はまだである。
「この始まりの町のボスってどんなのなん?」
「まー見てのお楽しみ。そろそろだよ!」
私たちが次の町へ続く街道を歩いていた時だった。
上空から何かが落ちてくる。それは大きな棍棒をもった豚の親玉みたいな感じの生物。
ハイオークと表示されている。
「こんな巨人みたいなのが相手か」
「初心者のエルに勝てるかなぁー?」
「まー、任せといてよ」
私は弓矢を構える。
先手必勝ということで、私はまず矢を放った。矢はハイオークの身体に突き刺さる。
が、その程度では怯まず、その巨体でドシドシと大地を揺らしながらこちらに近づいてきた。
「タフだよなそんな巨体」
『がんばえー』
『ファイトー!』
ハイオークが棍棒を叩きつけてくる。
一撃が大地を割る威力。防御力にステ振りしてないし、防具も何も更新してないので当たったらやばいな。
ま、当たったらの話だが。
「動きがノロマ。これなら余裕」
私は攻撃を避けつつ、攻撃を当てる。
だがしかし、半分まで削ったときだろうか。何か様子がおかしい。
ハイオークは顔が真っ赤になるくらい怒り狂った。
「ブモォオオオオオ!」
「うるっさ……」
「ブモォオオオオオ!」
ハイオークが力強く大地を踏み締める。
揺れる大地、私は思わず転んでしまったのだった。そして、ハイオークが棍棒を振り下ろしてくる。
私は飛行スキルで空を飛び、なんとか回避したのだった。
「え!? 私それ初見でくらって死んだんですけど!?」
「空飛べてよかったぜ」
鼻息を荒くするハイオーク。
まあ空でちまちま遠距離で攻撃してきゃいいか。
そして、ハイオークが倒れる。
「エル、せこい!」
「あ? 勝てばいいだろ。目的は次の町に行くことなんだから」
「絵面が地味なんだよ〜! 緊迫感のかけらもないし〜!」
と言われても。
「なんか普通に強くて苦戦のクの字もないから配信が盛り上がってないよ! もうちょっと苦戦してよ!」
「えぇ〜……。知らないよんなこと。勝てばいいだろ勝てば」
最終的に勝てば良かろうなのだ。
勝者こそ真理であり正義。
『ま、まー楽しかったよ』
『飛べるってずっるい!』
『なんでアルフロに飛行スキルがあんだよ! 教えはどうなってんだ教えは!』
コメントの人たちも白けている。
これ私が悪いの? 私は別に勝つためだけに今までレベリングとかしてたわけですし……。
「なんで勝った私がこんな感じにならにゃいかんのだ……。まあいいだろ。次の町行こうぜ」
「そーだね。もう、今度から苦戦してよ?」
「苦戦しないためにレベリングとかしてんだろーが……。それに私はまだ初期武器初期防具だから防御力に関しては始めたてと大して変わんないし当たったらワンチャン死ぬって感じだったからヤバかったんだぞ」
「あ、それもそーか……。笑って弓で遠距離チマチマやってるもんだから……」
むしろ当たらないために空飛んでたまである。
やっぱ対空手段持ってないと飛行してるやつになすすべないのはまずいんじゃないだろうか。
まあ、使えるうちは使っとくけど。
「ま、次の町へレッツラゴー!」
ブクマ、評価ありがとうございます!!!
書く糧!!!




