油の泉
私たちは第四エリアの外を歩く。
マップを見ながら、第四エリアになにがあるのかを探索していた。ここに出現する魔物はほとんどが機械か、油が化け物になったものばかりだった。
工業が発展しすぎた町……みたいなもので、雨が降るとダメージが来る。酸性雨なのだろう。
「こっちが第五エリアに繋がる道で……。たぶんここから先に行くと第五エリアに行くためのボスが出そうだよね」
「やる?」
「レベルが足りないかなぁ。私はもうちょっとレベル上げてからいきたい」
「だな」
サターンが同意している。
サターンも遅れながらようやく第四エリアまで来れたらしい。
「一つ一つのエリアが広くて探索のし甲斐があるねぇ~」
私たちは次に油が湧き出ている泉に向かう。
ぽこぽこと車とかに使うエンジンオイルみたいな油が地中から湧き出ている泉だった。触ってみるとやっぱり少しぬめぬめしている。
こんな油の池にもモンスターは出るらしく、中から機械の魚が飛び出してきた。
「すっげぇ~。魚までも機械!」
「いったいどこからこの機械たちが湧き出てんだろうな。機械ってことは人造モンスターみたいなもんだろ」
「たしかに。卵から生まれたりするわけじゃないもんね」
「まぁ、ここはもういいだろ。特になんもねえし戻ろうぜ」
「だね」
私たちは泉から引き返して第四エリアの町まで戻ることにしたのだが。
泉に繋がる森を歩いていると、霧が深くなっていく。前すら見えなくなるほどの深い霧に突如覆われてしまっている。
「すっげぇ霧だな……。来たときはこんな霧なんてなかったぞ」
「前が見えない」
だが泉に繋がる道はまっすぐなのだ。
深い霧に覆われていてもまっすぐ道なりに進んでいけば出られる。はずなのだが、まっすぐ進んでいってもなぜか出られていない。
まるで同じ場所をぐるぐる回っているかのような、そんな感じで歩いても歩いても霧が晴れることがない。
「なぁ、この油のついた木、さっき見た記憶がねぇか?」
「……私たち同じ場所をぐるぐる回っている?」
「戻ってみる?」
私たちは一度引き返してみると、少しも経たずに泉に戻ってきた。
10分くらいは歩いたはずなのに、わずか2分で泉に戻ってきている。やっぱり前に進めていなかったんだな。
となると、私たちは……。
「私たちここから出られなくなった……?」
「だろうな。どうにかして出る必要が出てきちまったわけだ」
「また脱出ゲームかぁ」
あの時、ブリさんとセルリアンと一緒に巻き込まれたあそこの遺跡。
あそこの遺跡は死んでも出られなかったけどここはどうなのだろう。実験したいがもし戻れなかったらまたここに来る可能性があるし、これがなんらかのイベントだとすると二度と遭遇できない可能性もあるか。
「ん? おい、さっきはなかっただろあんな道」
「ほんとだ。反対側の泉の向かいにあんな道あったっけ」
「行ってみよう」
泉の向こうに道が一本で来ていた。
仕方がないので急に出現した道を歩いていく。ここは霧にも包まれておらず、ただただ平坦な道だった。
そして歩き進めていくと、なにやら建物が見えてくる。
「これは……」
「廃工場?」
そこにあったのは大きな廃工場のような建物だった。




