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再臨する天使

 気が付くと知らない天井を眺めていた。

 ここはどこだ。黄泉の国か。はたまた天国か。と思い体を起こしてみると、父さんと母さんが座っていた。


「あ、ここ病院……」

「よかった……。笑留、生きててよかった……」

「あー……」


 母さんが涙ぐみ、父さんが目頭を押さえている。

 私、なんでここにいるんだっけ。記憶が曖昧だ。たしか私は熱を出して……。階段から落ちて気を失ったんだったか。

 結構血を垂れ流していたはずなのによくあそこから生きてたもんだなぁ。私って割とタフ?


 私は寝そべりスマホを開いてみる。

 結構な数の通知が来ているし、その大半が天子とセルリアンだった。二人にも心配をかけたなぁと思いつつ日付を見てみると。


「え、一週間……?」

「そうよ。あんた一週間も寝たままだったの……」

「マジぃ?」


 割とマジで生死の境目彷徨っていたんだな。あっぶない。本当に死ぬとこだったんかい。


「あっぶな……。生きててよかった……」

「本当にね……」


 現在の時刻は午前8時。

 そういや今日なんか予定があったような気が……と考えると、そういえば今日うちの学校の学園祭がある日じゃなかったか?

 9月も後半出したしか学園祭があったような気もする。


「……学園祭行きたいな」

「それはお医者さんと相談してからだ」




 ということでやってきた学園祭。

 私の身体も寝ているうちにほとんど回復し、熱も下がっているのであと一日二日入院するだけでいいらしく外出許可をもらった。

 私は頭に包帯を巻きながら、高校にやってくると学園祭らしい賑わいが出てきていた。


 とりあえず私は自分のクラスに向かうと。


「あ、天使! お前大丈夫かよ!」

「笑留ちゃん大丈夫だった!?」

「なんとかな。死にかけた。ついさっき目覚めたばかりだよ」

「それなのにもう来てんの!?」

「タフだなー」


 クラスメイトに笑われた。


「笑留さん」

「お、てっしー」


 てっしーことアルトが少し泣きそうな顔になっていた。

 抱き着いてくる。


「ごめんね心配かけて」

「えぇ……」


 とりあえずクラスの出店を楽しみ、次は天子のクラスに。

 天子のクラスはお化け屋敷というもので、本格的なお化けの演技をするとか言っていた。


「いらっしゃいませー! では、恐怖の館へどうぞ!」


 中に入る。

 薄暗く、少し怖いBGMがかけられていた。雰囲気は上々。いいんじゃないの?

 先へ進んでいく。天子のクラスメイトたちが脅かしてくるが別に怖くはない。


 そして。


「足りないよぉぅ……。皿が一枚足りないんだよぅ……」


 天子の声が聞こえてくる。

 一人だけガチの演技で、啜り泣く声が聞こえてくる。天子の声が近づいてきた。

 古びた井戸のオブジェクトの横で皿を片手に数えている天子。天子は私に襲い掛かろうとして。


「よっ」

「え、笑留!?」

「迫真だね」

「笑留〜〜ッ!!」


 天子が抱きついてきた。

 天子は生きててよかったと涙ぐんでいた。


「なんでいるの?」

「さっき目が覚めて今日学園祭だったなーって思ったから来ちゃった」

「んもう! めっっちゃ心配したんだからね!」

「ごめんごめん」


 天子は元の位置に戻っていく。


「ま、終わったら一緒にまわろうぜい」

「うん!」










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