いちごオムツ
話しかけて来たイケメン。
なんか見たことがある顔だ。どこでだっけなと考えていると。
「あ、プロゲーマーのいちごオムツさんだ」
「あー」
プロゲーマー。
たしか格ゲーの大会に出ていたような。
「どうも〜。俺たちと同じ時くらいにこのエリアのレジェンドエネミーと戦って勝った奴がいるって聞いてさ。やっぱ君だったか」
どうやら私のことは知っているようだった。
いちごオムツさんの話しぶりからして、リヴァイアサンを討伐したのはこの人か。
プロゲーマーというだけあり実力は確かみたい。
「私たちになんのようで?」
「用がなかったら話しかけちゃダメ?」
「そんなことはないですけど」
「僕は君に興味があってね。二度もレジェンドエネミーを倒した唯一のプレイヤー。気にならないわけないよね〜」
まぁ、私でもそれは思う。
ハイドラントドラゴンとメカゴーンの二体と戦って勝利。多分本来ならないだろうと踏んでたはず。
そもそも私が始めたのは発売して一年後くらいで、その時でも勝利報告がなかったのだから強さは折り紙つきだったんだろう。
「エルさん。よければ僕のギルドに入らないかい」
「いちごオムツさんのギルド?」
「そう、僕のギルド、不滅の宝石に」
「不滅の宝石ってギルドランキング一位の……。本当に強い人ばかり集めてるギルド! 誘われるなんていいなぁ」
「有名なん?」
「このゲーム界隈では」
「ほーん」
このゲーム界隈では有名か。私そういうの調べんから知らんかったな。
「どうだい?」
「んー、ま、私はテンコとやりたいんで」
「え、蹴るの?」
「ガチでやるよりテンコ達とやった方が楽しいし」
「エル……!」
「そっか。ごめんね」
いちごオムツさんはそう言って今度は私にフレンド申請をしてきた。
「フレンドだけはダメかな?」
「それくらいなら」
私は了承し、フレンドになる。
いちごオムツという文字がフレンド欄に存在している。不思議な気分というか……。
「君のことをもっと知りたいな。ねぇ、レジェンドエネミーから貰ったスキル見せてよ。僕、ここのレジェンドエネミーに遭遇したことないから気になってるんだ」
「まあ良いですけど……。いちごオムツさんも」
「いいよ。じゃ、僕からね」
いちごオムツさんは水を集めると、そのまま放つ。
巨大な水流が魔物たちを押し流して一掃していた。
「おぉ、すごい」
「さ、次は君の番だ」
「うす」
私はスキルを唱える。
「"熾天使砲"」
私の人差し指に光が集まっていく。
「"フルカウント"」
極太レーザービームが魔物たちを焼き払う。
「すっご……。僕もこっちがよかったぁ〜……」
「まあビームを放つところは似てますし良いんじゃないですか?」
「でもさあ、男のロマンとしてビーム放つのは夢っていうかね?」
わかる。ビームっていいよね……。
「あとは」
私は首を取り外す。
「なんと……。な、生首……」
「いや、ビックリしますよね」
「そ、そうだね」
私は首を引っ付ける。
「加護ももらいましたよね? 効果は?」
「水中でも自由に活動できるくらいさ。良いスキルではあるけど……。インパクトには欠けるよね」
「まあ、たしかに」
私のような取り外せるようになると比べたら……。
「ま、君と出会えてよかったよ。困ったことがあったら連絡してね。僕も助けになれるからさ。僕も困ったことがあったら言うし」
「ですね。また遊びましょう」
「うん、またね」
私は手を振っていちごオムツさんを見送る。
「さ、ログアウトすっか。疲れたし」
「そうだね」




