メカゴーンと戦争帝国
私は自分の首を外しながら第四エリアの街を歩く。
なんというか、首が取り外せるって改めて人間辞めてるなという実感が湧く。
「もうこれデュラハンだろ。なんで取り外せるようになってんだ」
私の身体が半分機械に。
これで種族が変わってないのバグだろ。メカゴーンの加護というのはわかるが……。
まぁ、ハイドラントドラゴンも半身が闇に染まってたし今さらではあるが。
「うわ、エルの生首持ってる。変な感覚ぅ……」
「奪うなよ」
私の身体が手持ち無沙汰だ。
首の断面には機械のような配線が見られる。
「てかエル、なんで図書館に行きたいっていいだしたの? 魔物の情報でも確認するの?」
「それもあるけど……。メカゴーンの勝利条件がわからないからな。倒し方とかは載ってないだろうけど設定とか深掘りしても良いんじゃねえのってこと」
私はフォアクロイの町の中にやってきた。
メカゴーンという名前のタイトルの本がある。このゲームは各地に図書館があり、そこで出現する魔物の弱点などを知ることが出来る。
メカゴーンはここに出現する魔物だ。
「どれ……」
私は椅子に座り、メカゴーンに対する記述を読む。
メカゴーンはかつての古代の技術で作られた兵器らしい。元の身体になった竜は存在せず、完全オリジナルの兵器。
他にも機械の竜のモンスターはいるがここまで巨大なものはいないらしい。
「メカゴーンには高性能な人工知能が搭載され、かつて存在していた戦争帝国ゴルモンク帝国の人間の言うことを聞くよう命令をしていたが……ある日、知能に多大な不具合が生じ、ゴルモンク帝国はメカゴーンによって滅ぼされた……」
「皮肉ですね。他国の戦争のための兵器が自国を滅ぼしてしまうなんて……」
「人類には早すぎた技術ってことなんでしょうか」
メカゴーン……。もしかしてあの配線か何かを攻撃した際にその不具合が解消されたのではないだろうか。
私は読み進めて行く。
「メカゴーンの身体を構築する技術は今となっては失われた技術であり、自分で修復も可能。奴を倒すには内部の核となる炉を壊すほかないが、メカゴーンの暴走は誰にも止めることが出来なかった。ビギナズ王国のトネクス地方に生息している孤高の龍、ハイドラントドラゴンと似たような力を持つ。神の域に達していた」
「加護をもらえるのはそういう理由ですかね?」
「かもね。レジェンドエネミーは総じて神の域に達してる魔物なんじゃないかな」
だからこそ加護を与えられる力があるんだろう。
硬くなるというのも気になっていたがやはりハイドラントドラゴンと似ていると示唆されているようだ。
あちらとは違い、ダメージの軽減ではなく防御力の上昇という違いはあるみたいだが。
「エルさんが撃退した理由……。やっぱり不具合の解消なんですかね?」
「私はそれが一番あると思ってるけどただやったことは配線を一度ぶっ壊して炉に数を少しつけただけなんだよな。その程度で直るんならとっくに直ってそうだけど」
「うーーーん……」
考えてもわからん。
まぁ、結果は勝ったというんだし気にする必要はないか。
「あ、エル。第三エリアでもレジェンドエネミーがプレイヤーの手によって倒されたって!」
「第三エリア? あぁ海。あそこのレジェンドモンスターってなに」
「リヴァイアサンだって!」
「あー、海だからか」
リヴァイアサン……。それも龍なんだろうな。




