ビギナー狩り
アシュリーは楽しそうに進んでいく。
ふよふよと浮き、次が防具屋だよと言いかけた瞬間、どこかから攻撃が飛んできたのだった。
「ぷぎゃっ!」
「……ッ!」
私は光の弓を持つ。
「お、初心者じゃーん。その防具は初心者だよねぇ~。おじさん初心者だーいすきっ」
「誰だよお前は」
「プレイヤーネーム表示されてるっしょ? 見えない?」
私やアシュリーとは違って赤い色で表示されている。名前はキラー。
その隣の奴も赤い色で表示され、デッダーというらしい。他のプレイヤーとは違う色での表示。こいつらが特別というわけなのだろうか。
いや、さっきの行動からして……。
「プレイヤーキラーをよくするから赤で表示されてんのね」
「お、わかるんだ。そうだよぉ。おじさん、初心者にこのゲームの厳しさを教えてあげようとしてるだけなのにこの色になっちゃってさあ。困るんだよね」
「初心者狩りか。趣味いいね」
「でしょ?」
そういうと、キラーは剣を取り出した。
「おじさん優しいからさァ! 手取り足取りこのゲームの洗礼を受けさせてやってんのよォ!」
「危ない!」
「あ、そう」
私はキラーの攻撃を躱す。
読みやすい剣筋。なにか武道とかやってたとかそういうわけではなさそうだ。この程度なら余裕で避けられる。
単調な剣筋。まぁ、初心者しか狙わないのは初心者にしか勝てないからじゃないのか?
「ちっ、まぐれで躱しやがって……」
「おじさん、初心者にしか勝てないからこんなことしてんの?」
「……はァ?」
「だってその証拠に装備が割と整っているアシュリーのほう狙おうとしてないじゃん。アシュリーは今めっちゃ無防備だし。あっちを狙いにいかないのおかしくない? それに、初心者しか狙わないってプレイヤーキラーとしてどうなの? 初心者を狙ってるんじゃなくて初心者じゃないと勝てないからでしょ」
「舐めた口を!」
私は攻撃を躱す。
怒っているのも相まってか、先ほどより攻撃がより単調になっていた。図星をついている……とまではいわないが、怒らせることはできたようだ。
怒ると冷静さを失い、余計に弱くなるタイプ。私は攻撃の隙を見て攻撃を叩きこむだけでいい。
「で、アシュリーはなんでぽかんとしてんのさ」
「えっ? あ、いきなりなんか絡まれたなーって思って……」
「やっちゃえば?」
「そうだね。やろうか。あっちから仕掛けてきてるんだからこっちはカルマ値たまらないし!」
そういうと、デッダーに向けて魔法を放つアシュリー。
デッダーは驚いたような顔をして魔法を受け、そのまま死んでしまった。
「わ、ワンパン……?」
「精霊魔法は普通の魔法より火力高いんですよ!」
「へぇ」
「なんで……攻撃が当たらない……」
「いや、普通に攻撃が見切れるくらい遅い……」
「くそっ……こんなガキに……」
「こんなガキにいい大人が洗礼を教えてやるとか言うなよじゃあ」
私は光の矢を放ち、おっさんをキル。
なんというか、まぁ初心者狩りなんてこんなものか。初心者狩りをする理由はぶっちゃけ初心者のほうが楽に勝てるからという理由ぐらいしか思いつかないし。
右も左もわからない初心者なら楽していたぶって快楽を得られるのが原因かな。まぁ、私はこの装備でずっとレベリングしてたし戦闘にはだいぶ慣れたから対処はできたが。
「いいなぁ光の弓矢。かっけー!」
「でしょ。私も精霊魔法使ってみたい」
アシュリーもアシュリーでだいぶ強いな。
少なくとも、今の私だったらあの魔法に被弾したら即死ぬか。魔法防御にステ振るのもありかな。




