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武器屋とギルド

 テンコがログアウトした今、何をしようか。

 なんでも出来るというのは選択肢が多くて困る。レベリングもずっと続けていると飽きそうだし息抜きもいるだろう。


「光の矢の火力は武器依存とか言ってたな。武器ならなんでもいーのかな」


 と悩んでいると。


「あー! 天使さん!」

「あ?」


 背後には見知らぬ女性が立っていた。

 

「その翼、その頭の輪っか! 天使ですよね? 名前が表示されています、プレイヤーの証! もしかして特殊な種族になったお方!」

「まあ、はい?」

「やっぱり! 私も特殊な種族なんですよ。精霊です精霊。ナカーマ!」


 精霊……。

 テンコが言ってたな。特殊な種族はまだ数人しか確認されてないって。その数人のうちの一人か。

 表示されているプレイヤーネームはアシュリー。


「私アシュリーって言います! 名前は好きなゲームのキャラから取ってきました! よろしくお願いします!」

「あ、エル……です」

「名前も天使っぽーい!」


 本名はガッツリ天使です。


「お仲間! フレンドなりましょ!」

《プレイヤー:アシュリーからフレンド申請が届きました》


 私は了承しておく。

 まあフレンドは多い方がいいだろう。


「その装備……私には分かりますよ。初心者さんですね? よければ色々と教えてあげましょーか?」

「まあ……じゃあとりあえず」

「はーい! じゃ、始まりの町案内いたしまーーす!」


 アシュリーが意気揚々と歩き出す。


「ここが武器屋です! 武器が買えます!」

「まあでしょうね……」

「でも武器は買うのもいいんですけど、生産職の方に作ってもらう方がエンチャントスキルもあってランクも高くなっておすすめですよ!」

「エンチャントスキル……?」

「武器を作った際、出来た後にランダムにスキルが付与されるんです。攻撃力アップ+10とか。そういうスキルは武器屋の武器にはついてきません」


 そういうのがあるのか。

 となると、私の武器はやっぱそういう人を探して作ってもらう方がいいのかも。


「そういった方を見つけるのは断然生産ギルドをおすすめします。生産職で集まってそういうプレイヤーのための武器とかを作ろうというプレイヤーの人いるんですよ! そういうギルドの人はどこかの町に拠点を構えて活動しています。おすすめ……というか有名なところで言えばギルド名"真夏のアバンチュール"とか」


 なるほど。プレイヤーの組合みたいなものか、

 ギルド……。そういうシステムもあるんだな。まだまだゲームのことはよく知らないので詳しく教えてもらえるのは助かる。


「ギルドが気になりましたね? ギルドというのはプレイヤー同士で組んで作られるチームみたいなものです。採取を主にしているギルド、生産を主にしてるギルド、仲のいい友達で集まってるギルド、このゲームの検証を行なっているギルド……。まあいろんな目的でギルドが設立されます」

「アシュリーはどこかに属してんの?」

「私は冒険者ギルドと呼ばれるギルドに」

「なにそれ」

「まあ名前は異世界定番のアレからですし、実態もほとんどアレですよ。人々の悩みを主に解決するギルドです!」

「ほえー」


 前線で攻略する……じゃなく、まじで異世界ものの定番の冒険者ギルドをやってみてるだけなのか。

 そういうロールプレイングもあるか……。


「ちなみに私はCランク冒険者なんですよ!」

「ランク制度あんの?」

「ギルドマスターがそういうロールプレイングしてるんです。強さでランクづけです」


 ほーん……。


「どーですか? 冒険者になってみません?」

「いや、私はそういうのまだいい」

「ちぇー。では気を取り直して次参りましょー!」


 ふよふよと浮かびながら移動するアシュリー。

 精霊って浮けるんだなぁ。









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