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スタンピード ③

 スタンピードはまだ終わる様子を見せない。

 あのボーナスタイム以降、特にこれといったものはなく、ただただ純粋に一角ウサギの群れが押し寄せてくるだけ。


「チッ……。楽しすぎてMP使いすぎてもうチェスれねぇ……」


 チェスト、もとい地烈斬はMPを消費する。私自身MPが多いから気にしてなかったがバンバン使いすぎてもうすっからかんだ。


「いつになったらこれは終わるんだ」

「知りませんよ」

「もーそろ終わってもいい頃なんだけどねー。クリア条件を満たしてないのかな」

「それに勘づいていたプレイヤーがクリア条件探していてもおかしくないと思うが……」


 とりあえず早いところ終わらせたい。

 未だ迫り来る大量の一角ウサギ。勢いが衰える様子もなにもない。何がトリガーとなってこの一角ウサギのスタンピードは始まったのか。

 そして、何をどうすればこのスタンピードを終わらせられるのか。いまだに誰もわかっていない。このままだとログアウトすらできずに永遠とこのスタンピードから守るしかないのだ、この町を守るために。


「そろそろ終わらせるために原因でも探してみるかぁ」

「原因ってなんか推測でもあるの!?」

「ない」


 クリア条件が不明だからな。

 だから手探りで探してみるしかない。私はとりあえず迫りくる一角ウサギを無視して、群れがやってくる方向の森の中に進んでいく。


「お供いたしますわ、運命の人ッ!」

「助かるよ」


 迫りくる一角ウサギを蹴散らしながら森の中へ進んでいく。

 はじまりの町のあらゆる方向から一角ウサギが出ているからこっちが一角ウサギの発生源……というわけじゃないかもしれない。

 ただ、群れを辿ってどこから来ているのかはわからないかという考え。私と同じ考えの人が数人ほどいるようで、森を駆けるプレイヤーの人たちもちらほらと見かけているが、全員引き返してきている。


「これより先はなんもないんですか?」

「あぁ。なにもなかった」

「そうですか……」


 出どころすらつかめず、この先には何もない。

 自分の目で確かめたいが……。何もないと言っている人がいる以上、十中八九なにもないんだろうな。私たちも引き返すとしよう。


「キュキュアッ」

「あん?」


 少し大きな一角ウサギが私たちめがけて逆流してくる。

 私は熾天使の剣を召喚し、切りつける。いつも通りワンパン……というわけじゃなかった。一角ウサギはそのまま耐えた後、立ち上がる。


「ワンパンできなかった? 普通ならワンパンだが」


 一角ウサギは私めがけて角を向け突撃してくる。

 少し回避動作が遅れ、私の腹部に一角ウサギの角が当たる。私は防御力が高い。この程度の攻撃わけもないと思ってはいたが、さっきの攻撃を耐えたといい、こいつは何かが違う。

 私は自身のステータスを確認してみると、HPが残りわずかになっている。


「やっぱりか。火力が段違い……っていうわけじゃないな。普通の一角ウサギよりだいぶ攻撃力は高いがたぶん防御貫通するんだこの攻撃」

「イレギュラー的な存在ですね。”超回復ウルトラリペア”」


 セルリアンに回復してもらう。

 HPが全回復。こいつ、怪しいな。私はとりあえず魔力回復のためのポーションを使う。MPが少し回復し、私は再び剣を構える。


「”白光ホワイトライト”」


 光魔法で援護するセルリアン。

 私は剣を振り上げる。


「チェストォオオオオオオ!」


 そのまま、剣で一角ウサギを叩き割った。

 一角ウサギはそのまま倒れ、消えていく。


《緊急ワールドクエスト:スタンピード の元凶を倒しました。クリアとなります》

《全プレイヤーに報酬としてスキル秘伝の書が配布されます》


 








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