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スタンピード ①

 熾天使になってからというもの、すこぶる調子がいい。

 敵の攻撃を見切り、剣での一撃を叩き込む。チマチマやるのも悪くなかったがゲームはやっぱ剣で戦ってこそかもしれない。


 相変わらず矛盾している。弓でちくちくがいいとか……。

 

《クエスト:ハリマグロを狩猟せよ をクリアしました》


 第三エリアの海の中で、ハリマグロと格闘していた。

 ハリが全身びっしり生えた魔物で、ハリセンボンがマグロ並みの大きさになった感じ。

 群れで行動する習性らしく、何匹も固まって突撃してきた時はビビった。


「もう第三エリアでも敵なしだね。早いところここもクリアしちゃおっか。ここクリアする時は私もやるからね。私次から初見だから!」

「そうなのか」

「前に3町しか行ってないって言ったじゃぁん!」


 そうだったっけ?

 だがまぁ、これなら次の町に行っても問題ないか。テンコも強いしこの町のボスを探して早いところ次の町へ……。


 その時、地震が起きる。

 波が立ち、私は驚いて空へと飛び上がった。


「なんだ?」

「地震? 海の上だよここ」


《緊急ワールドクエスト:スタンピード を開始します》


 というアナウンスが聞こえてくる。

 何かやばいことになってそうだ。緊急ワールドクエストってのはなんじゃい。

 

「緊急ワールドクエストってなに?」

「わかんない……。私も初めて聞いた……」

「ここは特になんもない……ぞ?」

「スタンピードってそもそも意味なに?」

「さぁ……」


 テンコと話しているとブリさんからメッセージが届く。

 始まりの町に大量の魔物が押し寄せてきているらしい。このままだと町が壊滅し拠点もなくなるかもだと焦った様子が伝わってくる。


「始まりの町にワープ!」

「拠点にファストトラベル〜っと」


 拠点につくと、外はとても騒がしい。

 NPCの兵士が郊外の方に駆けていく。私たちもその後ろを突いていくと、そこにはこの世の地獄を詰め込んだような、モンスターの大群が町に襲いかかっている。

 建物が壊れていき、NPCがやられていく。


「こういうことあんのな。熾天使の剣」

「とりあえず私たちも対処するしかないね!」


 剣を握り締め、モンスターの群れに突っ込んでいく。

 一角ウサギなどの始まりの町付近でよく見るモンスターが多数。今の私なら全員ワンパンで処すことができる。

 ただし、数が数であるために被弾は避けられないが私はものすごく硬いのだ。一角ウサギのダメージなど微々たるもの。まぁ塵積もっていうし被弾はなるべく避けてはおくが。


審判の炎ジャッジメントフレア


 炎があたり一面に広がる。

 この炎は固定ダメージを徐々に与えていくもので、固定ダメージ以下のHPの一角ウサギはこの炎に突っ込むだけで死ぬ。

 あたり一面が火の海になり、ここら一帯は一角ウサギの侵入を気にする必要がなくなった。


「きゅきゅいっ」

「おっと」


 一角ウサギの突進をかわし、剣で斬る。

 両目で一角ウサギの位置を把握、私はそのまま切り捨てていく。一角ウサギが次々と倒れていく。が、一角ウサギであるために経験値はだいぶしょっぱい。


「青春の右ストレートぉ!」


 テンコが一角ウサギの群れを殴りぬける。

 

「すっごい数! 倒しても倒してもキリがない!」

「いったい何なんだこれは……。このワールドクエストのクリア条件はなんだ?」


 早いところこの戦いを終わらせたい。

 一体、どういった原因で、なにをすればこのクエストは終わる。










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