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悪魔サターン

 夕方を迎え、セルリアンの迎えの車が家の前に泊まる。


「本日はとても楽しかったです。またゲームで遊びましょうね、運命のお人、テンコ様!」

「待ってるよ」


 高級車に乗って帰っていくセルリアン。

 あの車は私はどう足掻いても買うことができないだろうという車。やっぱ金持ちって車も何もかも違うんだなぁと実感。

 私はとりあえず部屋に戻り、父が帰ってきて夕飯になった。セルリアンのことを話しながらご飯を食べ終え、スマホでアルフロの情報収集をしていると気になる情報が目に入る。


「特殊種族悪魔になった人がいる……?」


 悪魔種族という文字がSNSのトレンドに乗っていた。

 天使種族という名前で私もトレンドに乗っていたんだが、それと同じらしく悪魔になったという男性……しかも有名な若手俳優の人が悪魔になったという報告。

 その人のアカウントを見てみると、私と同じように初期スポーンと同じような状況で転生したということだった。


 この情報にはアルフロ界隈も賑わっているらしく、アカを作り直してリセマラしている人もいるらしい。だが今のところそれで転生を引いた人はいないらしく、すっごい低確率なんじゃないかという話もあるそうだが……。

 そうだとすると私めっちゃ運がよかったってことになるけど本当に条件とか何もないのかな。


 まぁいいや。ログインしてちょっと第一エリアに様子を見に行こう。もしかしたらいるかもしれない。


 そう思いログインして第一エリアまで向かうと。


「いたよ、マジで」


 目立つ。

 人だかりができていた。その奥には頭に二本の角が生え、背中には蝙蝠のような黒い翼が生えている男性。若手俳優というだけあり、顔がものすごくかっこよくものすごくイケメンである。

 すっごい。悪魔って一目でわかる。


「もういいかい? 俺はゲームしたいんだが」

「すいません!」


 男の人がそういうと、人だかりが割れる。モーセかよ。


「ん?」


 と、私と目が合った。


「君は天使になった人か!」

「え、あ、はい」

「ねぇ、一緒に写真撮っていい? SNSにあげていい?」

「いいですけど」

「やった! 天使と悪魔です、いえーい」


 カメラが私たちを撮影。

 ほかの人たちもそれにつられて私たちを撮影している。天使と悪魔……。創作ではよく対となる存在。私たちは敵対していないからいいのだが……。


「ねぇ天使さん。俺にゲームを教えてよ」

「悪魔のささやきかよ。ささやく必要ないでしょ」

「ふふ」

「まぁいいけど私もほぼ初心者だからあまり詳しくは教えられないぞ」

「いいんだ。同じ特別な種族同士、仲よくしようぜ?」


 小悪魔的な存在……!

 自分の顔をよく知っているのかそれを活かそうとしているような小狡い感じがする。


「じゃ、しゅっぱーつ」

「おー」


 私と悪魔はその場を離れフィールドに出る。

 悪魔のプレイヤーネームはサターンという悪魔らしい名前。本人は土星の英語がかっこいいからつけたという話だが……。


「漆黒の槍」


 と、どこからともなく闇に染まった槍が出現する。

 効果は私の光の弓と同じらしく、魔力で作る武器らしい。私もそっちがよかったんですけども。闇の槍のほうがかっこいいじゃん! 私だって闇に染まりたい!(半分染まってるが)


「なぁ、俺たちなんかすっごいかっこいい存在だな!」

「…………否定はしない」

「ここで君に会えるとは思ってなかったよ! 俺は君に会いたくてゲーム始めたんだ!」

「え、そうなの?」

「君たちの配信見てるんだ! ファンなんだよ!」

「あ、ありがとうございます」


《サターン からフレンド申請が届きました》











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