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テンコと配信

 なんというか、異世界転移してきたみたいな感覚だ。

 始まりの町を練り歩いてみる。そこそこ大きい町で、武器屋とか防具屋とかは揃っているみたい。

 たまにNPCらしき人も見かけ、吹き出しマークのようなものを浮かべていたりする。あれはなんなんだろう?


 歩いていると、広場についた。


「あ、エルー……って何その翼!?」

「あ、これ? なんか天使に転生したっぽい」

「ほへ〜…。そんなんあるんだ……」


 翼を天子に見せびらかす。

 天子はそのままテンコと名前でプレイしているらしい。ネームが頭上に表示されている。

 結構高レベル……らしい。発売当初からやってるみたいだから相当強いんだろう。


「うんうん、ゲーム内でエルが見られるなんてね。あ、そうそう。エルも知ってると思うけどぉー、私配信もしてるんだよねぇ〜。時折一緒に配信も……」

「いいよ。てか割とお前のSNSに映ってんだろ私。それは今更の話だ」

「よかったぁ。エルの美貌は全世界に知られるべきだからねっ」

「ふふ……」

「じゃ、いきなりはいしーん! スタート!」


 テンコがそういうと、カメラがテンコの前に出現していた。

 モノアイのような見た目で空を飛び回っている。これが配信用のカメラらしく、私たちを俯瞰的に映してくれるらしい。


「あ、私の配信アカウント共有しておくね。これでコメントも見れると思うから!」


《テンコからアカウントの共有がされました。フレンド登録して認証いたしますか?》


 脳内に声が聞こえる。

 とりあえずはいとだけ念じると、私の目の前にウインドウが現れる。

 コメントがそこに表示されるようだ。


『突発的ゲリラ配信助かる』

『ってエルちゃんじゃん。配信はじめまして?』

『うわ、美人……』


 割と同接数も多いみたい。


「みんなー! 今日は友達のエルがゲーム始めたから配信しちゃうよー!」

「あ、ども……。エルっす」

「エルは基本ローテンションだけど不機嫌なわけじゃないからね」

「ローテンションは余計だろ……」

「とりあえず自己紹介!」

「え? あー……。エル……。好きなもんは……牛乳とか乳製品とか。アニメとかもよく見てます……」


 いきなり自己紹介を振らないでほしい。

 

『てか何その翼?』

『そういう装備あったっけ?』


「あー、なんか転生したらしい! 天使だって! このゲームで見たことないから新たな種族だよ」


 というと、コメント欄が祭り状態になり始めた。

 新たな種族? 他にも種族があるのか。アバター作る際、種族だけは選べずに人間固定だったが……。

 まぁ、天使があるなら他もあるか。


「んじゃ、ま、とりあえずエルのためにバトルとかやってみよーね!」

「ん」


 私はモンスターと呼ばれる化け物が出る始まりの町郊外の平原にやってきた。

 私は弓矢を構える。そういや光の矢というスキルがあるがこのスキルはどういったものか。


《光の矢:MPを5消費し光属性のガード不能の矢を放つ。威力は所持している武器の攻撃依存。また、武器にエンチャントされている効果も発揮する》


 へぇ。ガード不能。

 私はとりあえず光の矢を使ってみることにした。光の矢と念じると、私の手に輝く弓と矢が生成される。


「なにそれ!」

「天使のスキル、光の矢」

「かっけぇーーーーー!!」

「あれがモンスターか」


 私は狙いを定め狙撃。

 光の矢がモンスターのウサギを貫いた。


「っし!」

「わーお一発……。弓って割とむずかった記憶あるけど」

「そうなん?」

「エイム補正とかそういうスキルないっしょ?」

「ない」

「ならマジで素の能力か。エル流石っ」

「あんがとさん。とりあえず感覚はわかったからレベリングしてこう」

「オッケー! じゃ、今から作業配信!」












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