運命の人っ!
「ねぇ!? 昨日の投げられたスパチャ金額見たけど1000万ってなに!? バグ!?」
「わかんにゃい……」
翌日、朝起きると天子が焦った様子の顔で私のところにやってきた。
朝起きて昨日の配信のスパチャ金額を確認したら異常な数値をたたき出してものすごく焦っているようだった。私にも何が何だかわからず、もうログアウトしてすぐ忘れようとするために眠った。
その結果が今である。
「動画投稿サイトのバグとかじゃないよね!?」
「昨日マジで投げられました……」
もうなにがなんだかわかってないです。
私はとりあえず起きて、顔を洗って、現実だということを確認してベッドに座ろうとすると、焦った様子のお父さんが部屋に入ってきた。
「え、ええ、笑留! 今日は一緒にお父さんと会社来てくれ!」
「え?」
「ちょっとどえらいことになっていてな! 課長が娘さんを連れてきてくれと……」
「え」
何が起きてるんだろう。
私はしょうがないので天子にごめんと謝った後、お父さんと一緒にお父さんの会社に向かう。お父さんは焦った様子で緊張した面持ちで座っている。
そして、会社に到達すると、禿げたおじさんがやってきた。
「天使君! 急いで社長室へ!」
「は、はい!」
エレベーターに乗り、最上階の社長室へ私とお父さんは連れていかれたのだった。
そして、お父さんが社長室の扉をノックすると、入ってくれという声が中から聞こえ、扉を開けると。そこには金髪のサングラスをかけた美人の人が立っている。
この人は知ってる。よくテレビとかで密着取材を受けているイギリスから来た女社長の……。
「初めまして。私はアレーンといいます」
「は、初めまして。私はこの会社で働かせていただいております天使 貞夫と申します……。こ、こちらが娘の笑留です」
「えぇ、ご存じですよ。とても可愛らしい娘さんですね。娘が言うのもわかります」
「は、はぁ。知ってもらえて光栄です」
「今日お呼びしたのは、うちの娘があなたの娘に会いたいということでしてね」
「え……」
すると、社長室の横の扉がばんっと開かれる。
「初めまして! わたくしの運命のお人!」
「ふぉえ?」
「私はセルリアン・エリス! いえ……天使 セルリアンです!」
「は?」
セルリアン・エリスと名乗った女の子は私に抱き着いて頬をくっつけてくる。
「昨日励ますためにたくさんスパチャ送ってあげたよ! 嬉しかった?」
「あれあなた様だったのですか……」
「もう! フランクでいいんですよ運命の人!」
「え、えぇ……」
何が起きてるのだろう。
アレーンさんはほほえましく私たちを見ているし、お父さんとこの会社の社長さんはものすごく困惑した顔で私たちを見ている。
「ふふ、お互い、可愛い娘を持ったものね」
「そ、そそ、そうです、ね」
「それじゃ。しばらくウチの娘と遊んでもらっていいかしら? 夕方になったら迎えに来させるから」
「かしこまりました!」
社長が請け負っていた。
そして、アレーンさんは社長室から出ていく。
「じゃあ私、運命の人のおうちに行きたいわ!」
「え、うちは狭いところですけど……」
「いいのいいの! じゃじゃ、れっつらごー!」
と、私の腕を引っ張って連れて行こうとするセルリアン。
「笑留、し、失礼のないようになッ!」
「え、ちょ、私の責任重大すぎね?」
私はそのまま、会社を後にして電車に乗る。
セルリアンは初電車のようで興奮したように電車に乗っていた。通勤時間が過ぎているので満員電車というわけではなく、わりと空いていてて助かった。
とりあえずご希望の私の家に着いた。
「た、ただいま」
「おかえりなさい。なんだった……あら、お友達?」
「……お父さんの親会社の社長の娘」
「……失礼のないようにね?」
「失礼なんてとんでもない! 私の運命の人は私に失礼なんてしません!」
「う、運命?」
「さ、いきましょう運命のお方っ」
私は腕に抱き着かれながら部屋につくと。
腹を出しながら寝そべってマンガを読んでいる天子の姿。
「あれ、も~帰ってきたの? って誰?」
「初めまして。私はセルリアン・エリス。テンコさんですね」
「は、はいっ」
「私、負けません!」
「なにを?」
「エルと結婚するのは私ですッ!」
「……えっと?」
天子は何が何だかわかっていない様子。
私に説明を求めてくるが私も何が何だかわかってないので説明を求めないでほしい。
「えっと、日本じゃ同性婚できないよ?」
「大丈夫です。私の兄と結婚してもらうんで実質家族になりますから」
「なんか会ったことのない人と勝手に婚約決められてる……」
なんちゅーやつだこいつ。




