宵闇のビキニアーマー
「出来たぜ! これがエル、お前さんの新しい防具……漆黒装備一式でぃ!」
ギルド設立して一日後、ブリさんから装備が出来たと報告を受けたが。
私は渡された装備を着て、少し不満を漏らす。
「なんでビキニアーマーなの?」
「なんでって……。その見た目でフルアーマーの方は失礼じゃねぃか?」
渡されたのがビキニアーマーだったからである。
着てみるが、やっぱり胸ぐらいしか隠せていないし、下もスカートみたいになってるとはいえミニスカサイズで脚がまんま見えている。
「露出度くそたっけぇ……」
「でも性能はいいぜ」
宵闇装備という名前のシリーズ防具。
宵闇の額当て、宵闇の胸当て、宵闇の手袋、宵闇のスカート、宵闇のブーツというので、シリーズ防具を揃えて装備するとシリーズスキルなるものが発動するようだ。
宵闇シリーズのシリーズスキルはダメージを30%カットするというもの。
黒龍の加護で50%防御力が上がり、30%ダメージが軽減される……。すっごい防御重視だな。
「おー、純白の白い翼に半身の闇と装備の黒……。意外と合うもんだねぃ」
「ちょっと恥ずい」
だがこれで防御力も人並み以上にはなったわけだ。
「宵闇シリーズはそもそもが強いから他のスキルは一切付かなかったがまぁ、やれるだろぃ。火力アップスキルが一つもないのがネックだねぃ」
「ま、火力はなんとかなるでしょ」
戦いにおいて大事なのは生き残ること。火力アップスキルがない分、私の技術でカバーしていけば大方やれるだろ。
私たちが話していると、受付の方から声が聞こえてきた。テンコの声だ。テンコはカメラを回しているらしく、ギルドの紹介映像を撮っているみたい。
「おや? あれはエルと新しいギルドメンバーの人だね?」
「白々しい」
「ふっ……。あたいの勇姿を見せる時が来たようだね!」
ブリさんは頭にバンダナを巻き、半被を着ていた。いつのまに着替えたんだ。
「二人ともー! こっち来て〜!」
私たちの視界にコメントが見える。
どうやらテンコとリンクしたようで、私の装備を見て「可愛い」という感想がちらほらと。
可愛いじゃなくてエッチぃだろ。これは。
「おうおうおう! あたいがこのチーム・エンジェの3人目、ブリのおさしみでい!」
『あのさすらいの鍛治師の……!?』
『うおーいいなー!』
「ブリちんに作って欲しかったら私たちのギルドまで来てね! まぁブリちんは一人なので請け負える数には限りあるけど!」
やっぱブリさんは有名人みたいだ。
テンコを使って承認欲求を満たすとか言ってたけど充分名が知れ渡っているから必要なかったんじゃないの? テンコのネームバリュー。
「で、エル。その装備は?」
「ん? ほら、ブラックハイドドラゴンの鱗で作った防具だよ。フルアーマーが良かったのにビキニアーマーにされた」
「ナイス、ブリちん」
「へへっ……。やっぱフルアーマーは味気ねぇからよ」
「別にいいじゃん……」
ほぼ裸と何が違うんだこれは。




