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エルだけずるい!

 ハイドラントドラゴンはそのまま飛び去って行った。

 私はとりあえずスキルを確認してみることにした。


【黒龍の加護】

黒龍から認められた証。常時発動し、防御力が50%上がる。

【スキル:黒龍の咆哮】

使用すると一定時間相手を動けなくさせる。威圧耐性がある相手には効果が薄い。連発は不可能。一度使ったら5分間使用不可。

【スキル:黒龍の波動】

闇属性の光を放ち相手に攻撃する。魔法防御を無視し、必ず相手の5%のダメージを与える。連発は不可能。一度使ったら5分間使用不可。


 この見た目はたぶん黒龍の加護のせいだろう。


「えっと……なにしたの?」

「いや、あのドラゴンの背にこれ刺さってたから……」


 私はドラゴンの背中から抜いた剣を見せる。

 漆黒のかっこいい剣。これを引っこ抜いたらああなったわけなんだけど……。


「もしかして他のレジェンドエネミーもそういう特殊な条件を満たすと……。つっても空飛べないから背中のこれ気づかないって!」

「私も背中に回り込んだら気づいたってだけだしね」


 とりあえず引っこ抜いた剣を装備してみる。

 呪いの装備……というわけじゃなく、黒剣という立派な剣のようで、私のこの初心者みたいな感じのプレイヤーが持つには不相応な感じだ。

 というのも、攻撃力が高い。私の初期の弓の攻撃力は10なのだが、この剣は素で200ある。これを装備して光の矢を主軸として戦えばマジで一線級になれそう。


 どんな職業でも全武器装備できるのが私にとってはいい塩梅になって、組み合わさってることでなんかすごいことになっている。

 職業につく旨味としてはその職業についたら対応する武器のスキルを使っているうちに得られることらしい。剣は狩人に対応してないのでスキルも何も得られない。


「……いいなぁー! 私だってそんな風になりたい!」

「と言われても」

「ずるいずるい! 私のほうが先に始めてるのになんでエルだけ!」

「運がよかったとしか……」


 テンコは少し不貞腐れてしまった。

 私としてもこの展開になるというのはわからなかった。本当にただの偶然であり、私が何かしてるというわけじゃない。

 なんか私、最近死ぬほど運がいい。これ以上続くと死ぬほど悪い不運がたくさん襲い掛かってきそうで怖い。


 確率は収束するという言葉もあるように、この先なんも抽選とか当たらなかったりするんだろうか。ライブとか結構応募してるからそれは嫌なんですけど……。


「……また探す?」

「探したところで私はあの条件満たせないよ……。いいんですよーだ。私はただの一般プレイヤーだから……」

「ごめんって」

「……明日一緒に買いもの付き合ってくれるんなら許してあげる」

「はいはい。付き合ってやるから。機嫌治して」

「やったー! じゃ、明日迎えに行くからねッ! よーし、じゃ、探検だァ!」

「はぁ……」


 せっかくの休みだからゲームしてようと思ってたんだけどな。


『てぇてぇ』

『年頃の女の子みたいでおじさん泣けてきちゃう』

『¥10,000 買い物代』


 なんか視聴者の人も喜んでいる。











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