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仮想現実の世界で自由な旅を 【完結】  作者: からくり
chapter1

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ep.93

【竜の街】

〘竜王がかつて人族を真似して作った街。店が2つしかないことを除けば、あとは岩と洞窟しかない〙


竜の街に着いてハッキリわかった。

街じゃねぇ。

洞窟なんて壁のあちこちに穴が空いてるだけで、飛んで入る仕組みだ。

岩なんてその上で寝ている竜がいるだけで、それは家……家なのか……? むしろただ寝る場所だろ。


「こんな場所、他の異界人がきたら速攻回れ右するだろうな……」

「ですから創造主様と勇者様がリンコニ様に教えこんでいるのでしょう?」

「多分な」


とりあえず店らしき場所を目指す。

時々視線は感じるが、それだけで突っかかってくることは無い。

喧嘩売られたらどうしようかと思ったが、そんなことはなさそうか。


「これが店……ねぇ……」

「煙? らしいものが描いてあるだけですわね」

「とりあえず入るか」


店の外には看板が1つ置いてあるだけで、外から中の様子を伺おうにも窓がない。

その看板も煙っぽいウネウネが描いてあるだけだし。

店の中に入るとまず目に入ったのがズラっと並んでいる瓶だった。

色とりどりの煙が瓶の中に入っているようだ。


「あら、いらっしゃい。アナタね、リンコニ様を倒したって言う人族は」

「まぁそうだが……アンタが店主か?」

「そうよ。ラフモっていうの、よろしくね」


店の奥で煙を吐き出しながら話しかけてきたのは竜と人の間……竜人? だった。

頬とか鱗付いてるし、頭からは角が2本生えてる。

なんなら翼が見えてるしな。

服装は……民族っぽい衣装?


「ここは見ての通り煙を売っているのよ。試しにどう?」

「煙を?」


瓶をカウンターの上に置きながらラフモが言ってくる。

手に取る時に目で確認を取ると頷いたので、瓶の蓋を開ける。

白い煙が立ち上がるだけ……いや、めちゃくちゃけむいな!?


「エッホ、ゴッホ!」

「お、お父様!?」

「大丈夫よ。その煙はただの煙だから」


手で払ってようやく煙は消えた。

にしても凄い重い煙だったな。


「どうだったかしら?」

「いや……凄いな、これ……どうやって作ってるんだ?」

「これよ。あぁ、安心して? 身体に有害になるような代物じゃないから」


指で挟んでいるのタバコっぽいが、その煙を詰めているのか。


「吸うでしょ? 吐くでしょ? その吐く時に瓶の中に吐くのよ。吐いたら直ぐに蓋を閉めるの。そうじゃないと出ていっちゃうから」

「それでさっきのが完成か。色つきはどうやってるんだ?」

「そ、れ、はー……ひ・み・つ♡」


まぁそりゃそうだわな。

恐らく魔力かタバコの中に何かを詰め込んでいるんだろうが……


「でも気になるようだからこれ、あげちゃう。自分だけの煙瓶、作ってね」

「こんなに沢山……いいのか?」

「リンコニ様を倒したくらい強い人族ですもの。サービスよ、サービス。これの作り方はそっちのノートに書いてあるから読んでね」


【巻草】

〘煙に有害な物質は含まれていないが、1部種族や子どもは使用禁止である〙


【瓶】

〘空き瓶。中になんでも入れることの出来る瓶である。虫も捕まえられる〙


タバコだと思ったが、これ紙を巻いてるだけで中には藁を入れてるだけなのか。


【藁】

〘特定の植物を乾燥させたもの。火をつけても煙しか出ない〙


「いつか自分だけの煙瓶を作ったらアタシに見せに来てね? その時はもっと面白いものを見せてあげるから」


手を振りながらラフモがそう言ってくる。

これは……なにかのクエストっぽいな。

覚えておくとしよう。

今回もお読みいただきましてありがとうございます。

サブクエスト発生しました。

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