ep.89
「いやはや、随分と楽しい数日だった。感謝するぞ、リベットよ」
「そりゃよかったな、魔王さんよ」
「ディモニでよい」
あの後ラドバーに案内され食堂へと向かうことに。
いや、かなりキツかったが……何しろ前にはエルナ、後ろにはリルナとレルナが離れなかったからな。
クランは相変わらずニヤニヤしてたし。
ちなみにミウロゥは既に食事を済ませていたらしい。
『ここなら誰にも襲われる心配もないし、私もディーもリンコニもいる訳だからさ。少し長かったのは心配したけど』
「すまなかったな。次からは気をつけるさ」
そんな会話を済ませ食事を摂る。
「さて、食事は口にあったかな?」
「あぁ、かなり美味いな」
「時折地上から客が来るものでな。その時のために備蓄しておいたのだ」
食パンにスープ。
朝ごはんにはピッタリだが、随分と家庭的だ。
美味いし、濃いものよりはこういうのがいい。
「食事も終わったことだ、何やら聞きたいことがあるという顔をしておるな、リベットよ」
「……そうだな。ディモニとリンコニに聞きたいことがある」
「俺様もか?」
「これから異界人がやってくる。火山の前にガーディアンゴーレムはいるが、いつか必ず突破されるだろう。その時、リンコニはどうする?」
「そうだなぁ……俺様の配下の中には地上を彷徨いている奴もでてきたし……試練……いや、祭り……そうだな、祭りをしよう!」
祭り?
試練から祭りとはどういうことだ?
「火山の中には俺様の配下達が住む街がある。そこまでたどり着いたのならば、祭りをしようじゃないか! ようは催しだな。期間は……そうだな……定期的に開催するでいいか。祭りの期間中に徴を配布することにしよう。その徴を集めることで、なにか交換するでもいいな!」
「ふむ……そういうのも地上世界にはあるのだな……」
つまりはイベントを火山でやるってことか。
イベント期間中に参加することで徴を手に入れて、後で交換するか。
「その徴は祭り毎に変えるのか?」
「んな面倒なことはしねぇよ、全部統一だ。徴は交換したら減るが……そうだなぁ……とんでもない数を集めたら俺様との試練に挑戦させるのもいいなぁ……リベット、お前の時はミウがいたから問答無用だったが、他の奴らはそうは行くまい?」
「まぁそれでいいんじゃないか?」
火山から地底世界に入るためにかなり頑張らないといけないだろうけど、そこは……まぁ頑張ってくれとしか。
「ならば俺は、この地底世界に城を築こう。地上世界にもいくつかあるのだろう? その上で街もいくつか建設する必要があるな……リベットよ、火山までたどり着く異界人はどれくらいいるのだ?」
「そんなに多くないんじゃないか? 少なくともガーディアンゴーレムを突破したなんて聞いてないし」
「ふむ……ならば間に合うか。リンコニよ、異界人をこちらに通す前に知らせるがいい」
「そう簡単には行かせるつもりはねぇが……そん時はそん時だな」
どうやらこっちはこっちでイベントが進むようだ。
あとでレンにメール入れておくか。
「リベットよ、感謝するぞ。お前のお陰であと数十年は退屈せずに済みそうだ」
「そりゃよかったな?」
「ということで褒美を用意した。考えさせたら時間がかかりそうだからな」
「……なんでも褒美を与えるのもどうかと思うが?」
そこで黙りを決め込むな、ディモニ。
合図を出されたラドバーが俺の近くに盆を持って近づいてくる。
「これは?」
「お前ならば面白い使い方を考えると思ってな。その2つをやろう。いつか俺に見せてみろ」
【スキルの書・極】
〖何も書いていないノート。自分が使いたい魔法を思い浮かべて開くことで新たなスキルを入手する
祈れ、そして願え。希望はその先にあるのだから〗
【ひみつの種】
〘それは種である。植えることでのみ成長する種である。花開く時何かが起こるひみつの種である〗
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
極と付くアイテムはいくつかあります。
そのうちの一つがこれですね。
普通のノートであれば大抵のスキルを取得可能ですし、時々ギルドの依頼ででてきます。
確率はそこそこ。
極となると、超強力なスキルを覚えられます。
果たしてリベットはどんなスキルを覚えるんですかね。




