ep.87
宝物庫の外に出たところでラドバーが俺たちを待っていた。
「お待ちしておりました、リベット様。お部屋のご準備が整いましたのでご案内させていただきます」
「ありがとう、ラドバー」
「いえ、これが私の仕事ゆえに。それからミウロゥ様、クラウン様には伝言を預かっております」
「いやーな予感しかしないんだけど……」
「部屋で待つ、決して逃げるな。との事です」
クランは思いっきりため息をついてトボトボとどこかへ歩いていった。
その後ろをルンルンと楽しそうに着いていくミウロゥ。
あの2人、仲が悪そうで良さそうなのなんなんだろうな。
「ではご案内させていただきます」
「お、おう。よろしくな」
ラドバーの後を着いていってたどり着いた部屋は、
「……豪華すぎないか?」
「至って普通かと。何か足りないものがありましたら、テーブルにベルが置いてありますので、数度鳴らして頂ければすぐに駆けつけますので」
そう言ってラドバーはお辞儀をして部屋から出ていった。
後に残ったのは俺とリルナとレルナ、そしてエルナの4人だった。
「色々ありすぎて疲れたな……」
「ベッドでお休みしますか?」
「リルナ、パパと寝る……」
リルナは目を擦って眠そうだ。
とりあえず抱き抱えてベッドに入る。
「エルナはどうする?」
「あら、淑女たるものお父様とご一緒なんてそんな……少しやりたいこともありますので、お父様は先にお休み下さい」
「そうか……疲れたら休めよ?」
「はい。それではお休みなさいませ、お父様」
その声を聞きながら俺はログアウトした。
向こうで目を閉じてこっちで目を開けると部屋のランクが違いすぎてどうにかなりそうだな?
とりあえず緊急アラームが鳴ってなかったのはセーフだが……警告がきてるな……
ギリギリ緊急連絡されなかったようだが、次は無さそうだ。
一先ずレンにメッセージを送っておくとして……さて、どんな内容にするべきか。
悩んだが、とりあえず別れてから地底世界にたどり着くまでのことをサラッと書いておいた。
後でなにか言われるかもしれないが……まぁ、その時になってからだな。
向こうはまだ夜だし少しだけこっちでも眠るとするか。
目が覚めたらガッツリ寝ていたようで、レンからのメッセージが凄いことになっていた。
……見ない方がいいような見た方がいいような……
なんて思っていると、通話の知らせがとんできた。
「もしも」
『兄様!! なんですの、あの情報量は! あとすぐに返信して欲しいというのにいつまで経っても返信しないのはどういうことですか!!』
耳がキーンとなり、上体を逸らしてしまう。
相変わらず声がでかいヤツだ。
「こっちも色々あったんだよ。メッセージ送っただろう?」
『その! 色々が!! 多すぎますの!!! 火山まで行っているどころか、地底世界までたどり着いたのが兄様だなんて!!』
「そりゃ……メインストーリーだし?」
『それで済ませられるのが兄様だけですの! こっちは大変ですのよ!? ワールドアナウンスは次々に流れますし、あちこちに竜が出現するようになったりだのと!』
「竜が?」
確かサリアは新しいエリアを解放すると新規コンテンツがどうとか……
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
火山の奥地にたどり着いたことで、世界中のアチコチで竜とランダムエンカウントするようになりました。
と言ってもある程度の実力がないと、戦いに行っても優しく追い返されるだけです。
逆に実力がある、バグズキングダムの少し前くらいまでのボスを討伐している場合(45~50体)のみ戦闘になります。
また地底世界に進入したことでもワールドアナウンスが流れています。
こちらはまだそういう世界があるとだけしか流れていません。運営としても準備中でした。
で、肝心のリベットの方に何も流れないのには理由があります。
設定画面で流れるかどうかの設定を忘れていたからですね。
これもまた冒険者ギルドでチュートリアルがあるんですが……全部勇者様が悪いということですね、はい。




