ep.86
「お父さんは無理しないでください」
「パパはあまり入れなくていいよ」
「そうは言ってもだな……」
「私の方が多いですし?」
「は? リルナの方が多いし」
「言いましたね? ではどちらがより多く入れられるか勝負です!」
「レルナには負けないから」
凄い勢いで数字が増えていく……
俺も何とか入れていくが到底追いつけず、多分100くらいしか入れられてないんじゃないか?
「はぁ……はぁ……ど、どうですか……わ、私の方が多いですよ……ぜはぁ……」
「そ、そんなこ、と……はぁ……ない、もん……はぁはぁ……」
「……とりあえず2人とも休んでいなさい」
息も絶え絶えな2人はとりあえず下がらせて、水晶玉を手に持つ。
さっきは全く光っていなかった水晶玉だったが、今は眩しいくらいに輝いている。
「これを?」
「そうだ、そのコアの穴へと入れるのだ」
そっと落とさないように慎重に穴へと嵌める。
落ちないことを確認して魔導人形から距離を取ろうとして、手を掴まれッ
「ひどいですわ、お父様。このような姿で、こんなにも早く再会するだなんて」
「え、エルナか……ビックリしたじゃないか……」
一瞬心臓が止まったかと思ったぞ……ホラゲーでもやってる気分になれるが、二度とゴメンだな……
当の本人はクスクス笑ってるし。
「お父様を驚かせられて私は満足ですわ。創造主様、服などはありませんこと? 流石に裸では恥ずかしく思いましてよ?」
「まーた増やしてるし……ハイハイこれでも着やがれくださいませ」
指パッチン1つでエルナは竜王の試練の時に着ていた服を身につけていた。
流石にシルクハットまではなかったが、それでもウルフカットの黒い髪が似合っていて綺麗だと思う。
目も……魔導人形にコアをいれるまでは瞼を閉じた状態だったから分からなかったが、今では青と赤のオッドアイになっている。
「流石ですわね」
「リベットよ、コレは?」
「貴方様が魔王陛下ですわね。お初にお目にかかります。私、名をエルナと申します。またの名をジョーカー。そこにいるリルナとレルナ、2人が1つになった姿だと思っていただければ」
「ほう、この2人が成長したような姿をしているのだな」
顔とかそうだしな。
違うのは髪の色くらいか?
「それにしても……この魔導人形……ですか? 随分と動かし方が違いますのね」
「動きにくいか?」
「いえ……少し動かせば……あぁ、関節が球体関節になっておりますのね。随分とアンティークですわね?」
「大昔に見つかったものだからな。どこぞの誰かが趣味で作ったのだろう」
「……え!? ボクじゃないよ! 人形なんて趣味じゃないし!」
どこぞの誰かでほぼ全員の視線がクランへと向けられたが……この感じは違いそうだな。
「それにしても、やはり面白いことになったな。他に何か欲しいものはあるか、リベットよ」
「いやもう満足だよ。こうしてエルナとも再会できたしな」
「あら、お父様ったら大胆ですわね。皆様がいらっしゃる前で愛の告白だなんて」
「違うからな?」
再会を愛の告白と捉えるのはお前とクランだけだよ……
「お父さんは私のモノですから!」
「パパはリルナのモノだから」
「俺をモノ扱いするんじゃないよ」
2人が両足にそれぞれ抱きついてくるが、エルナは相変わらずクスクス笑っている。
からかっただけだなこりゃ。
「さて、地上では夜に差し掛かった頃だ。部屋の用意と食事もそちらへ運ばせよう。リベット、明日の朝再び聞くから考えておけ」
「これ以上いらねぇ、って聞いてねぇし」
スタスタと去っていく魔王。
リンコニもその後ろに着いていくし……
『とりあえず宝物庫から出よう。私が案内するよ』
「頼む、ミウロゥ」
とりあえず俺達も外に……いつまで抱きついているんだ、2人は。
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
近いうちに再会出来ましたね。
書いていてビックリしました。
なんでこんなに早いの?




