ep.77
今回は三人称視点になります。
ご注意ください。
リベットがトランプを1枚引く。
引いたカードは勝手に手元を離れ、空中で光り出す。
「ふむ……よもやこのような場で呼び出されることになろうとはな、我が同盟者よ」
「アンタがキング……」
「如何にも。余こそキングのカードそのもの。して、此度の相手は」
でてきたのは王冠を被り、煌びやかな服装にマントを羽織った初老の男。
リベットから視線を外し、竜王へと顔を向ける。
「なるほどなるほど、アレが噂に名高き竜の王か。お初にお目にかかる、竜の王よ」
『ほう、それが道化が創り出した兵士達にしてその王か』
「然様。しかし、王とは名ばかり。役目を振り当てられただけのこと」
『ククク、しかし随分とさまになっているでは無いか。さて、そのキングとやらが俺様にどう対抗する?』
腕を組みじっとリベット達を見下ろす竜王リンコニ。
対して、
「我が同盟者よ、余が知恵と財をさずけよう」
「知恵?」
「うむ、少しばかり耳を貸せ」
何やらゴニョゴニョとリベットに囁くキング。
その内容にリベットは1度大きく目を見開き、
「……分かった、それでいこう」
「うむ。次は手を出すがいい」
「これは?」
「余もあの道化より生み出されたモノ。思考自体は不服ながらアレと同じよ」
「使ってみてのお楽しみってか?」
「そういうことよな」
ニヤリと笑うキング。
「なら、なるようになってみせるさ」
腰に差していたステッキを手に取り、竜王へとその先を向ける。
『何をしてくれると言うのだ?』
「それは見てからのお楽しみってな。『種よ生長しろ』」
ステッキの先から無数の緑色をしたツタが竜王へと伸びる。
あっという間に竜王の身体はツタでぐるぐる巻きとなってしまった。
『なるほど、俺様の動きをまずは封じることからか。いいだろう、ならばあえて動かんことを約束しようぞ』
「さて、では今のうちに。ジョーカーよ、少しこっちへ」
キングがリルナとレルナを傍へ呼び寄せる。
「2人とも分かっておるな?」
「はい、キング。私たちは2人で1つ」
「今こそ1つに戻る時ですね、キング」
「ならば良い。ではあとは任せたぞ」
そう言ってマントを翻し後ろへと下がろうとしたキングだったが、
「おっと忘れるところだった。ほれ、追加だ」
決して後ろを振り返ることなく、指を1度鳴らす。
すると、ツタの上から光の輪がいくつも現れ、急速に輪が縮まり竜王をさらに拘束することとなった。
『ぬぐぅ!き、貴様……これは、天の者が使いし技!』
「余を創り出したのは外道にして外法そのモノ。なればこそ余も使えて当然というものだろう?」
そうしてようやくキングの姿は消え去り、後に残ったのはリベットの近くへと寄っているリルナとレルナ。
「お父様、お願いがあります」
「どうか私たちを忘れないでください」
「……忘れるわけが無いだろう。お前たちは、俺の娘なんだから」
リベットは視線を合わせるようにしゃがむと2人を抱き寄せる。
少しの間3人は抱き合い、そして
「「私たちは1つに戻ります」」
リルナとレルナはリベットから少し離れ、互いに手を繋ぎ合わせる。
「私たちはジョーカー」
「2人で1つの私たち」
「トリックスターであり、奇術師であり、マジシャン」
「今こそお見せしましょう」
「「愉快で素敵なショーを!」」
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
戦闘……戦闘……だな、うん。
それはそれとして三人称視点は相変わらず苦手です。




