ep.73
『あぁ、そこの馬は置いて行け。ここから先、道も険しい。私が面倒を見ておこう』
「……すまないな、ロクト」
ロクトは1度俺に顔を寄せると、そのままガーディアンゴーレムの方へと歩いていった。
やっぱり賢いな。
さて、
「リルナなんて大嫌いです!」
「ご、ごめんなさい。そこまで弱いとは思わなくてですね……」
必死に謝るリルナだが、レルナはプイッと顔を背けている。
あんまりだったから抱き上げたが、離れようとしないし。
『どうだった?』
「あー……まぁ色々あったな、うん」
「いやぁ楽しかった!」
『……なるほど。とりあえずそこの道化師は竜王に引き渡すとして』
少し暑くなってきた道を行けば、少し先でミウロゥが待っていた。
この先はマグマで煮えたぎっているが……ヒンヤリ粉のおかげで少し暑い程度で済んでいる。
『こちらが旅のお仲間ですか、ミウロゥ様』
『ん。リベット、こっちはラドン。竜王の側近だね』
少し上から声がすると思えば、そこにはドラゴンが空中で羽ばたいていた。
目測で……4mくらいか?
『お初にお目にかかる、人の子よ。我が名はラドン。竜王様の配下である』
「お、おお……初めまして、リベットだ」
『ここを尋ねた理由は既にミウロゥ様から聞いている。その上でリベット、君には2つの道を用意した』
「2つの道?」
『私と共に竜王様の元へ向かうか、引き返して帰るか』
その言葉にリルナとレルナがステッキを構える。
レルナ、ステッキを構えるのはいいが、抱かれたままだと格好がつかないぞ?
「2人ともやめなさい」
「「ですが、お父様」」
「話を詳しく聞いてからでもいいだろう?」
そこでようやくステッキを降ろして……レルナはこっそり降りようとしていた。
とりあえず降ろすと、リルナの元へトテトテ走って何事も無かったかのような顔をしていた。
「さて、ラドンさん。その選択肢の理由を聞こうか」
『竜王様は君と会ってもいいと仰られている。故に私が案内役を承った。が、竜王様と会うにはまだ早すぎる。君は弱いのだから』
「まぁ、そうだな」
実際に倒した……倒した? ボスは2体だけだし、装備もちゃんとしたものとは言えない。
『ついでに言えばそこの道化は信用ならない。かつてのしでかし、我らが忘れたと思ったか?』
「いーや? 忘れられないように頑張って頑張って……全部滅茶苦茶にしたのボクの方だし? そう簡単に忘れられては困るよ」
何があったのかは……聞かない方がいいのか?
『さて、どうする? 私としてはこのまま引き返してもらった方がいいと思うのだが?』
「まぁ確かにアンタの言う通りかもしれないな。現に俺は1人じゃ何も出来ないわけだし」
植物魔法もここじゃすぐ燃えてしまうしな。
『それでは―』
「だからといって、はいそうですねとはならんだろ」
『……何が言いたい?』
「弱いから帰った方がいい、忠告は確かにもらった。それでも俺は先に進むぞ」
『貴様、燃えて灰になりたいと言うのか』
「いやいや、そうじゃない。俺は1人じゃなにもできないが、仲間がいるんでね」
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
色々あったんですよ。
裏話でそのうち……ね。




