ep.72
「面白くて楽しくなくっちゃ。でもこの旅の主役は、ボクでも、勇者様でもない。君なんだ、リベット。君のためならどんなものでも用意してみせよう。でも君の代わりに何かは絶対しない。これはリベット、君の旅なんだからさ!」
「クラン……」
「あと皆の反応が面白いから影でこっそり見て笑う方が楽しいし!」
「そっちかよ……」
「コレにそんな殊勝な心掛けなんてないのです」
「コレがマトモなことを考えるはずがないのです」
「「面白ければそれでいい。それがコレの判断基準なのですから」」
だろうな。
「まぁ、これで最後だ。これでダメなら奥の手を使うしかない」
「およ? 奥の手なんてあったの?」
「ミウロゥの知り合い達に連絡を取る。道化師がミウロゥを笑いものにしてるって言えば飛んでくるだろ」
「戦争でも起こすつもりかい!? この世界の8割がなくなっちゃうよ!!」
どんな戦いをするつもりだよ。
まぁ、そうするつもりはないが。
「さて。待たせたな、ガーディアンゴーレム。これが最後だ」
『うむ。ではかかってくるがいい』
「『種よ、生長しろ』」
ポンッと黒の花が咲く。
これは……ダメか……
『どうやらダメなようだな。では交渉決裂―』
黒い花からツタが2本勢いよく伸びて、ゴーレムの身体をくすぐっていく。
『こ、これは……い、いや……ま、まだだ……まだ、だ……ま、も、もうダメだ! ゴッゴゴーゴー! ゴゴッゴゴッゴー!』
【花黒華】
〘人の手によって育てられることで初めて花を咲かせる不思議な華。育てた人の意思を汲んで1度だけその願いをかなえる不思議な華である。
あなたの想いを叶えましょう。それは私の想いでもあるから〙
ツタがゴーレムのあちこちをくすぐっている様子は……まぁ、不思議としか言いようがないな。
ゴーレムにしか分からない感覚なんだろう、きっと。
「……ゴーレムもくすぐられると弱いのですね」
「レルナはどうです?」
「わ、私たちは弱くありません! 決して、あんな風にのたうち回りません!」
「ほう? では試してみましょう!」
「あ、ちょっ、まっ、やめ」
こっちはこっちでくすぐりあっているし……
「もういいだろう。交渉とやらはどうだ」
『ゴーゴッゴッゴッゴー……ゴー……うむ、存分に笑わせてもらった。いいだろう、人の子よ。お前達と道化師、3人をこの先へと通す』
ゴーレムはそう言うと道の脇に逸れて壁際に立った。
これで火山の奥へと迎えるんだな。
『ただし、この先は決して楽では無い。竜王の住まう火山だ。決して侮ることなかれ』
「あぁ、気をつけるよ。2人とも、行くぞ」
「あっひゃひゃひゃひゃ! ひーひひひひひ! だ、ダメです! そ、それ以上ふふふふふふふ!」
「うふふふ、ここですか? ここが弱いんですね。ではこちらはどうですー?」
「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! や、やめ、めひぃー!」
ふーむ……
「どう思う?」
「楽しそうでいいんじゃないかな!」
「何とかしろよ、創造主……」
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
戯れている姿を見るのっていいですよね。
ちなみに勇者パーティー全員集合し更に全力出した場合、サーバーがクラッシュします。
メンテナンス後、そこには世紀末の世界が広がってたり広がってなかったり。
評価合計が200pt突破しました。
沢山ブックマークしていただいているようでありがとうございます。
まだまだストックは尽きていないので引き続きお楽しみ下さい。




