ep.70
「なるほど、これから火山だからか」
『丁度いいね』
親指を立ててダイヤのAは消えていった。
ランダム過ぎるのが玉に瑕だが……便利なんだよな。
「さぁ、ジャングル奥地に到着だよ! でもその前に、お客さんみたいだけどね」
「お客?」
次の街に行くならボスモンスターがいるはずだが、ここは火山の前になるんだろ?
【ジャングル・奥地】
〘火山へ進入するルートの1つ。ただし、番人を倒さねば進入は不可能。
用心せよ、ここから先は竜の住まう住処
要心せよ、火山の奥は竜王が住まわれる場所
用心せよ、要心せよ
覚悟のない者は引き返せ
探求者なら進め
竜王は勇ある者を望む〙
ロクトの前にいたのは随分とデカイゴーレムだった。
とりあえず図鑑を
【ガーディアン・ゴーレム】
〘火山の入口を護るゴーレム。全身が火山岩で出来ているため、非常に熱く、そして非常に硬い。
倒すならそれ相応の覚悟を
倒さないのであれば取引を 〙
ん?
『いやはや、これはこれは……随分と懐かしい方を目にした』
「しゃ、喋った……!」
暫定顔と思われる場所の一部が口みたいに動いて喋りだした……
喋るのか。
『もちろん、人の子よ。でなければ取引にも応じられぬ故に』
「……なるほど、会話ができないと思い込んでいたが……それは捨てた方がよさそうだな」
『柔軟な考えですな。まぁ、私の頭は非常に硬いんですが。ゴッゴッゴッ』
それ笑い声かよ……
『久しぶりだね』
『やや、ミウロゥ殿。いつのまにか喋られるようになったようで? 以前は他の方が代理で交渉したはず』
『まぁ、ちょっとね。ところで竜王は元気? 久しぶりに逢いに来たんだけど』
『竜王様なら火山奥地で暇そうにしておりますぞ。ココ最近冒険者が来るようになったらいいものの、火山の中まで入られることがないからですな』
ガーディアンと交渉、ではなくて戦闘をしかけて全員返り討ちか?
『ではお通しいたしましょう』
『ん、ありがと』
『ですが、あなただけです。ミウロゥ殿』
「……やっぱりか……」
『そこの人の子と道化師、お前たちを通す訳には行かない。私と戦うかそれとも交渉をするか。どちらを選ぶ』
戦闘となると……厳しそうだな……
あの身体……火山岩でできているらしいからな。
ぶっ壊す手段がないな……
『それと、彼らの手伝いをしないよう、ミウロゥ殿には少し先に行ってもらう。よろしいですな?』
『……仕方ないね。ごめんね、リベット。何かあってもそこのバカが何とかしてくれると思うから』
「バカとは失礼だなぁ! まぁ、ボクがいればリベットだけは守ってあげるから大丈夫だけど!」
ミウロゥは少し不安そうにしながら先へと進んだ。
さて、戦闘か交渉か。
「交渉、となるとなにをするんだ」
『なぁに、私を笑わせてくれればいい。先のはノーカウントだがな』
「わ、笑わせる……」
これまた難題を……
「リベット、やりたくない方法と面白い方法ならどっちを取る?」
「……面白い方がいいが、やりたくない方も聞こうか」
「あのゴーレム、術式を変えられるんだ。まぁ、それをやると竜王がここまで直接来るかもねー」
確かにやりたくない方法だな。
こんなところで竜王の怒りを買う訳にはいかない。
「もう1つは?」
「この種を使ってごらん。面白いことが起きるから」
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
火山への進入ルートはジャングルを除くとあと3つあります。
1番楽なのがジャングルからだったりします。
他は……問答無用で岩を飛ばしたり、マグマを放水したり、ロケットパンチしてきます。




