ep.69
「待たせた」
「いいかい、ロクト! これからは何があってもボクの頭をかじるんじゃないよ! わかったね!」
馬車の近くに戻るとクランがロクトに言い聞かせていた。
まぁ肝心のロクトは聞いているのか聞いていないのか、ただただ胸を張って立っているだけだしな。
『買えた?』
「あぁ。面白そうな種も買えたし、火山目指すか」
『まずはジャングルの突破からだね。御者、出発よろしく』
「ぬぁぁぁぁ! 君の! 御者は! ないんだよ! ボクは! リベットの!」
「すまんな、クラン。なんだったら俺が代わるが」
「いやいや! そんなことはないとも! このクランちゃん! 君の為なら行者だろうとなんだろうと引き受けようとも! さぁさぁ、乗りたまえ! ジャングルの奥地まで強行突破しようじゃないか!」
たまには俺がロクトの手網を握ってもいいと思ったんだが……まぁいいか。
幌馬車に乗り込み、ターサンの街を出発する。
ジャングル、か。
果たしてどういう所なのか。
【ジャングル】
〘虫と植物系のモンスターが蔓延る密林地帯。蒸し暑さにはご注意を。奥地から火山へと進入することが出来る〙
「蒸し暑くなってきたな……」
「ここら辺はまだマシだよ〜。火山なんて熱いなんてもんじゃないんだからさ」
なら余裕があるうちにトランプの兵士を呼んでおこう。
時間もかかるだろうし、丁度いい。
「お呼びですか、我が主」
「あー……ごめん。ダイヤを呼ぼうと思って」
「左様でしたか。ではしばらくジョーカーをお借りしてもよろしいですか」
「2人がいいならいいが……」
ということで、俺とミウロゥより離れた場所でコソコソとなにやら相談を始める3人。
まぁ彼らなりの交流があるんだろう、多分。
『次は何が出るかなー』
「ちょっと楽しくなってるだろ」
スペードの6
ハートの3
クローバーの9
スペードの2
クローバーのA
ハートの7
クローバーの4
スペードの5
ダイヤのA
や、やっときてくれた……
「さて頼むぞ」
俺の言葉にダイヤは1つ大きく頷くと背負っていたカバンをゴソゴソと漁り始める。
10とAじゃそもそもの格好が違うんだな。
こんな大きなカバン背負ってなかったし。
「これは……粉?」
【ヒンヤリ粉】
〘涼しくなる粉。口に含んで前方に噴射することで冷気属性の攻撃ができる。が、代償として口の中が凍傷となる。主に振り撒いて使う〙
「ばら撒くとしばらくヒンヤリする粉です、お父様」
「暑い時にばら撒くと気持ちいいのです、お父様」
「「時々アレから盗んで皆で盛り上がっていました」」
「時々減ってるなーって思ったら君たちのせいか!!」
クランの怒号が飛んでくるが、知らぬ顔をするリルナとレルナ。
まぁ……クランだしなぁ……
そのうち関係を聞かないといけないかもな。
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
トランプの兵士たち同士の仲はめちゃくちゃいいです。創造主?
はて……なんのことやら……




