ep.68
「およ。遅かったね」
「まぁ……色々あってな」
「……何があったのさ」
『虐められた?』
途端真剣な顔つきになるクランとミウロゥ。
そんな顔もできたんだな?
虐められては無いが、
「いや、皮と肉を売ったら200万セーリになってな」
「なーんだ、そんなことかー……そんなことか!?」
「うぉ」
「そんなことかじゃないよ、リベット!! に、に、にににに、肉を! 売った!? 誰に!?」
「ぎ、ギルドに、だ」
「勿体ないっ! それならボクが全部平らげたのにっ!」
「そっちかよ」
胸ぐらを掴まれて前後に揺らされながら呆れてしまった。
まだ残ってるんだが……いつ言い出そうか。
「ロクト、今日のおやつはあれですよ」
「頑張って噛み砕けばお腹は痛くなりません」
「「ゴーです、ロクト!」」
まぁ動かないわな。
嫌そうな顔してるし。
「ど、どうしたのですか、ロクト!?」
「い、いつもあんなに美味しそうに食べていたじゃないですか!」
ロクトはそっぽを向いているな。
「ぷぷぷ〜、そんなんだからロクトにそっぽ向かれるんだよ〜。ね、ロク」
「いくのです! そのまま噛み砕くのです!」
「いくのです! そのまま咀嚼するのです!」
野次を飛ばす2人の横でミウロゥが呆れた顔をしていた。
「むがぁ! ボクの頭ごとかじるのはいい加減にしないか! もう怒ったぞ!」
『これは私がなんとかしておくから他の用事終わらせてきて』
「おお、悪いな。すぐ戻ってくる」
リルナとレルナの手を取り、道具屋っぽい店へと走っていく。
中に入るとごちゃごちゃしていた。
台の上に置かれているとはいえ、まとまりが無い……
「らっしゃい。好きなもん手に取ってくれや。物だけ持って勝手に出たら……わかるよな?」
店の奥にいたのはゴリラだった。
獣人族が多い街だから、店主も獣人族なんだな。
まず調理器具は……あったな。
まな板と包丁、皿まである。
フォークしかないが、まぁそれでいいだろう。
「お父様、これは如何です?」
「種か」
「お? その種は植えるまでどんな花になるか分からねぇぞ。それでもいいなら売ってやるよ」
「それでいいさ。ならこれを全部貰おうか」
「まいど。全部で1500だ」
お金はウィンドウでやり取りできるのが楽でいい。
そこはゲームっぽいんだが……荷物を直す時は鞄に入れないといけないのがな。
「レルナ」
「こちらに」
何も言わなくてもすぐに出してくれた。
うん、助かる。
「むぅ……私たちだって役に立つのです……」
「分かってるよ」
足にリルナが抱きついてくる。
頭をワシワシしながら……はて?
「2人ともたまにシルクハットない時がないか?」
「それはー……」
「そのー……」
「「おとめの秘密なのです!」」
そうかー、おとめの秘密かー。
なら仕方ないか。
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
おとめのひみつ、です。




