ep.67
混みあってはいないようだし、さっさと終わらせてしまおう。
そう思い、受付へと向かう。
「ホー? これはこれは珍しい。人族の冒険者ですか」
「旅の途中でな。買取りってここでも出来るのか?」
「ホー。どのような品か次第ですなぁ」
カウンターの向こうにいたのは成人男性くらいのフクロウだった。
【ロウフー】
ずんぐりむっくりで柔らかそうなフクロウだ。
「レルナ、頼む」
「分かりました、お父様!」
「んぇ?」
リルナが頭に疑問符を思い浮かべている間にレルナは左手に持っていたステッキを器用に片手でクルクルと回し、カウンターを軽く叩いた。
ポンっと軽い音と共にスーツケースが現れる。
「ありがとな、レルナ」
「いつでも申し付けください、お父様」
「い、いつのまに……」
リルナが驚いているが、レルナが何とかしてくれるだろう、多分。
とりあえずスーツケースを開いて目当てのものを取り出す。
「これなんだが」
「ホー、守りの獣・プロテージャーの皮ですか。ふむ……品質も問題ないようですね……であれば、5000セーリでいかがでしょう?」
「それで構わない」
皮と引き換えに5000セーリを手に入れた。
ヨシヨシ、これで暫くは大丈夫だろう。
「ホー……しかし皮だけですか。肉などあればさらに買い取るのですが」
「熊掌ならあるんだが」
「ホー。それならば5万セーリで買い取りますぞ」
「……2つ」
「ホー。それならば15万セーリでいかがでしょう?」
急に跳ね上がったな?
ふむ……
「構わないが……何故跳ね上がった?」
「ホー。プロテージャーの熊掌は美味とされておりましてな。それに食べ終わったあとの骨は防具にも使えるスグレモノ。それが2つも。人気故にこれくらいならばすぐ取り戻せるのです、ホー」
「ふーむ……」
「ホー……もしお気に召さないのであれば、30……いえ、50で如何でしょう? これ以上は流石に出せないのです、ホー……」
15万でも充分魅力的だったが、いつの間にか3倍以上跳ね上がっていた。
「いいだろう。熊掌を2つと肉を少しで取引だ」
「ホー!? しょ、少々お待ちください!」
何やら手元で操作を始めるフクロウ。
器用だな?
「ほ、ホー……お待たせました……肉を少々はどれくらいでしょう、ホー?」
「これくらいか?」
片手で持てるくらいの量を手に載せ見せる。
急に目が輝いたな。
「ホー! で、でしたら100……いえ、ここは200万で!」
「お、おう。それでいいならいいんだが……」
ということで突如として大金を手に入れてしまった。
ロウフーは……なんかヘンテコな踊りを踊っているが……気にしないでおこう。
「さて行くか」
「「はい、お父様」」
レルナにまたスーツケースを頼んで、冒険者ギルドを後にする。
さてと、次は道具屋か?
調理器具は必要だし、あと何かいるものがあったか……?
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
このあとターサンの冒険者ギルドでは宴が開かれたとかなんとか。




