ep.60
「……待て。ジャングル大国?」
「そうだよ。獣王国が支配下に置いている国の1つだね」
「獣たちの楽園……だったか?」
「そう! そして12人いる王の1人、獣王レオグルスがその頂点だね!」
そういえばクランも13番目の王とかなんとか言ってたな。
俺とは関係ないだろうし、気にしなくていいか。
「火山に入るのには何か許可がいるのか?」
「いらないいらない。というか勝手に街を建てただけだから許可なんて必要なしなし。そもそも火山なんて竜が住み着いているのにその麓によく建てたよねって思うもの」
知らないで建てた可能性もあるだろうが……どうだろうな。
「じゃあとりあえずターサンを目指すとするか」
「もう出発する? 今出ると途中で野宿することになるけど」
時間は……昼ぐらいか。
せっかくテントを買ったんだし、使うのもいいな。
だが、その前に
「いや、済まないが武具屋に寄ってもいいか? 流石に武器がないのはちょっとな」
「ほむ……そういうことなら!」
「「私たちが見繕うのです。お父様、こちらです」」
ズルズルと連れ去られる俺は
「ロクト、ミウロゥ。スマンが少し待っててくれ」
『了解。コレは私が見ておくよ』
ロクトは……分かってるんだろうな。何しろクランの頭を齧ってるし。
……ヨダレまみれだな。
「これが武具屋か」
「とても分かりやすいですね、お父様」
「剣と盾が飾ってあります、お父様」
「「間違いなく武具屋です、お父様」」
剣と盾をクロスさせてる看板があるからな。
これで防具屋だったらひっくり返るが……
扉を開けると、チリンチリン、と鈴の音が店内に響き渡る。
「らっしゃい」
店はそう広くなく、両方の壁際に多種多様な武器が並んでいた。
真っ直ぐ行くとカウンターがあり、その向こう側でプカプカと煙を漂わせているドワーフが座っていた。
「武器ならその壁に並んでるやつだ。防具は隣、盾が欲しいなら要相談だ」
ふむ、分かりやすい。
壁に並んだ武器を見てみると、剣や槍、ハンマー、ナイフに斧……普通だな?
反対側は……ヌンチャクに笛……? 鎌、これは……チャクラム……なんでもあるな?
「ナイフがよさそうか?」
「お父様の戦い方次第かと」
「ステッキもあればよかったのです」
ステッキか。
確かに先に種を仕込めば植物魔法を使いやすくなるかもしれんな。
「ステッキか? あるぞ」
「……なんでもあるな」
「前に旅の魔法使いだとか言う奴が作ってくれって言ってきてな。予備で残しといたんだよ」
そう言ってカウンターの上に載せたのはマジシャンなどが使うようなステッキだった。
「ナイフも欲しいんだろ? 2つセットで安くしとくぜ」
「なら買わせてもらおうか」
「ナイフでも仕込むのか? なら今ここでやってやるが?」
「いや、別のものを仕込むつもりだ」
ナイフを手に取りカウンターの上に載せる。
俺が置いた後、コソッと2振りのナイフが追加でカウンターに載った。
「いいのか?」
「なにがだ」
「勝手に追加したんだろ?」
「この子達が欲しいと思ったなら、買ってやるのが親の役目だ」
ドワーフは肩をすくめるが、そういうものだ。
結果としてそれなりに安くして貰えた。
まぁそれなりの出費にはなったが……どこかで稼ぐか。
【ステッキ】
〘何の変哲もない杖。先端に何かを仕込める仕組みになっている〙
【ナイフ】
〘片手で取り扱えるサイズの短剣。リーチは短いが、取り回しやすい〙
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
関係ないと思うじゃないですか。
それはそれとしてツワイトでは鉱山を巡る利権争いが起こったり、巨大ゴーレムが大暴れたりするんですが……まぁ彼の旅には関係ないので。




